有りよりの無し
日本ニュートリション協会認定サプリメントアドバイザーのサファリ(@diet_safari)です。
「宿便」という言葉は非常に扱いがめんどくさいものになっています。
ダイエット業界では常識のように語られる「宿便」
この宿便を排出することで、腸内環境をリセットして健康に!
しかも、宿便だけで1~2kgはあるからすぐに体重が落ちる!
ダイエットサプリのこんな宣伝文句が昔はよく見られました(最近はさすがに無くなってきましたが)
確かに、胃カメラなどが発達して腸内を直接目視できるようになった現在、腸の中にヘドロのように宿便が溜まっている様子も確認されていません。
しかし、だからといって「宿便に似たような現象」が無いわけではなく、便秘に悩む人は大勢います。
腸内を綺麗にするための取り組みは、間違いなく必要なもの。
今回は、「宿便」の嘘と誤解、それを踏まえて便通をスッキリ快適にするための心がけなどについて解説します。
【目次】
宿便=腸内に溜まった便?
ダイエット業界で使われる「宿便」とは、排出しきれずに腸内に溜まった便という意味です。
便秘によって溜まった便は、肛門のすぐ直前である「直腸」に溜まります。
直腸に便がたまるという意味では、「宿便はある」と言えますが、それとは違いますよね。
宿便は、便はそこそこ出ているけど、出し切れていないという意味でしょう。
つまり、直腸以前の大腸や小腸、十二指腸などの腸壁に、排出しきれていない便がヘドロのようにこびりついているという事。
そして、先程も書いたように、そんな現象は確認されていないのです。
これを理解するには、まず「便(うんこ)」について少し知っておく必要があります。
この内容は動画でも解説しましたので、Youtubeでもご覧ください!
宿便を語る前に「便の中身はほとんど水分」
宿便を語る前に、まずは「便」というものについておさらいしましょう。
便、つまりウンコの中身は、実はほとんど水分なんです。
人間は誰でもウンコをします。
そのウンコの中身は何で出来ているか知っているでしょうか?
「ウンコの中身?食べたものの残りカスでしょ?」
と思ったあなた、半分正解ですが半分間違いです。
人間は食べたものをほとんど吸収できるのです。
では残りは何か?
剥がれた腸粘膜:5~15%
水分:60~80%
となっています。
ウンコの中身は6~8割が水分なんですね。
人間が水分を排出する方法は、尿や汗だけでなく、実は大便も重要なんです。
余談ですが、便秘が続くと普通に食事していても3日以上便が出ないことがあります。
では食べたものはどこに行ってしまったの?と思いますよね。
人間は食べたものを8割以上吸収して体内に取り込めます。残りカスは1割り程度しかありません。
便の体積はほとんどが水分によるものですが、大腸内が水分不足だと便の体積は非常に小さくなり、かなりの日数分を直腸内に溜めておけるんです。
この状態の便は固いので、なかなか肛門まで進むことが出来ません。
体調を表す便の腸内細菌と腸粘膜
便の内容物は、食べ物の残りカスと同じくらい「腸内細菌の死骸」と「腸粘膜」が含まれています。
人間の腸には、数百種類、100兆個以上の腸内細菌が住んでおり、善玉菌と悪玉菌の勢力争いによって、敗れた方の菌が毎日死骸として大量に排出されます。
これに加えて、腸の内部「腸壁」と呼ばれる部分の細胞は、人間の身体の中で最も新陳代謝が活発な細胞です。
髪の毛が抜けるように、お肌から垢が出るように、腸壁の細胞も生まれ変わって古い細胞が捨てられていきます。
肌のターンオーバーサイクルは28日
それに対し、腸壁のターンオーバーサイクルはわずか1~2日
ほぼ毎日新しい細胞が生まれ、古い細胞が剥がれ落ちていくんです。
これがウンコとして大量に排出されるということ。
ウンコの量が多いことは、腸内細菌と腸粘膜が活発に新陳代謝しているという事であり、健康の証とも言えます。
逆に、便の量が少ない、キレが悪い、固いなどは腸の新陳代謝が弱まっている証であり、健康回復のためには何らかの対策が必要です。
その隙間に「宿便」が溜まるとかつては考えられていましたが、この隙間ごと腸壁が剥がれ落ちて新陳代謝しているので、腸壁の隙間に何かが溜まるということは基本的に無いのです。
宿便は無いが、腸内清掃はとっても大事
宿便は、腸壁の隙間にこびりついた便であるとされていますが、そもそも腸壁は毎日のように剥がれ落ちているものですので、隙間に便が溜まるということは考えられません。
しかし、新陳代謝が衰えて、腸壁が剥がれ落ち無くなってしまったら?
逆に、腸壁が剥がれ落ちたのに、新しい細胞が生まれてくるのが遅れたら?
このようなとき、便秘や下痢など、いわゆる「腸内環境の悪化」という症状が起こります。
「宿便」自体はありませんが、「宿便のような症状」はあるという事ですね。
確かに胃腸の調子が悪くなって新陳代謝が滞ることはあります。しかし過剰な広告「宿便剥がしで-3kg!」とか「あなたの腸には5kgの宿便が!」みたいなのは完全に嘘です。
腸内にたまった便は水分が抜けてとても小さくなっていますので、重量もほとんどありません。
腸を綺麗にすればダイエットに有効なのは確かですが、それだけで劇的に体重が落ちることはありません。
宿便をとるダイエット!というのは○○サプリを飲めば確実に痩せるようなものではなく、まず新陳代謝を衰えさせる高脂肪食、高糖質食を控える。
水分やビタミン、ミネラルをしっかり摂る(野菜類にはこの3つが多く含まれています)
その上で、腸内環境を助けるサプリを活用するとういのが、正しい「宿便のとり方」という事になります。
選ぶサプリとしては、食物繊維やビタミンが豊富で、さらに不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが良いもの。
原料としては、明日葉や大麦若葉の青汁などがオススメです。
宿便は嘘だけど、嘘じゃない?
腸の壁に便がこびりつくのが「宿便」
そんな物はありませんが、実は完全な嘘というわけでも無いんです。
便の中身は、腸の粘膜や腸内細菌も多く含まれています。
いずれ便になるものが腸の壁から剥がれずに残ったままになってしまう。
これも「広義の宿便」だと無理やり言えないこともありません。
何より大切なのは、腸の新陳代謝を活発に保つこと。
健康的なダイエットは、腸から始まるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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