南アジアに生息するクスノキ科の樹皮を剥がして乾かすと、丸まって棒状になり、独特の香りを放つようになります。
シナモンと呼ばれるこの薬草は、世界最古のスパイスとも呼ばれ、エジプトのミイラづくりにも防腐剤として使われていたとか。
漢方では「桂皮(ケイヒ)」と呼ばれ、冷え性改善、血流促進、胃もたれ治療に用いられるシナモン。
そんなシナモンのダイエット効果。
特にコーヒーとの相性について、改めて見ていきましょう。
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
なお今回の内容は、動画でも解説しています。
【目次】
シナモンはTie2を活性化し毛細血管を修復して血流を改善
シナモンは古来より血行促進、末端冷え性の改善に効果ありとされてきましたが、そのメカニズムは長らく不明でした。
今世紀に入って、毛細血管修復物質「Tie2(タイツー)」が発見され、シナモンがTie2を活性化する働きがあるとわかるまでは。
そもそも血管とは、コラーゲンと血管壁細胞が隙間なく密着し、ゴムホースのようになった器官です。
この細胞同士の密着が血管の命綱な訳ですが、老化すると細胞同士のスキマができ、劣化したゴムホースのように水漏れするようになるんですね。
血管から液体が漏れてるって結構衝撃的ですが、そうなれば当然血流は悪くなるし、漏れた水分が身体に溜まってむくみとなります。
そうなってしまう原因は、細胞同士を密着させるTie2の活性が落ちているからで、
そのTie2を再び活性化してくれるのがシナモンなんですね。
毛細血管が元気になれば、当然冷え性だけでなく肌質の改善や美容効果も期待できるため、化粧品業界でも大注目されているようです。
参照:資生堂、加齢による皮膚毛細血管の機能低下が皮膚老化に関与していることを解明 低下した皮膚毛細血管の機能を回復させる成分「ケイヒエキス」を開発
シナモンは脂肪細胞の熱産生を促進する
血流が良くなれば冷え性も良くなりますが、大本の熱が無ければどうにもなりません。
シナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」という成分は、脂肪細胞による自発的な熱産生を促進する作用も確認されているようです。
参照:シンナムアルデヒドは脂肪細胞の自律的な熱産生と代謝の再プログラミングを誘導
つまり体脂肪が燃焼してカロリーを消費し、体温を上げてくれる訳ですね。
血流促進と合わされば、たしかに冷え性改善に効果はあるはずです。
そういえば冬のドイツで飲んだホットワインには、シナモンがたっぷり入っていました。
シナモンのダイエット効果に関するメタアナリシス
シナモンが脂肪燃焼を促進するなら、ダイエット効果もあるのでは?と当然思いますよね。
シナモンのダイエット効果を検証したメタアナリシスがありました。
参照:シナモンの摂取は肥満にプラスの影響を与える:ランダム化比較試験の系統的レビューと用量反応メタ分析
- 被験者:786人の肥満者(BMI27.6~33.6)
- シナモン摂取量:1日平均1.5g
- 摂取期間:8~16週間
- 体重-1.02kg
- BMI-0.51
- ウエスト-2.4cm
- 体脂肪率-1.02%
数字としては大きくないですが、1日たった1.5gのスパイスの効果としては十分ですよねぇ
注意点としては、被験者がかなりの肥満体ばかりであるため、標準体重近くからのダイエットに効果的であるかはわからない。
それと被験者がシナモン摂取以外のダイエット行動をどれほど取っていたか、調整がされていない点ですね。
過度な期待を程度に、シナモンにはダイエット効果もあると思って良いのではないでしょうか?
シナモンはコーヒーと相性良し
シナモンとコーヒーは、香りの相性が良いだけではないようです。
シナモンの効果を見てきましたが、これらの効果はコーヒーのカフェインやクロロゲン酸と似ていますよね。
- 血流の促進
- 体脂肪の分解・燃焼
- インスリン抵抗性の改善
- 胃酸の分泌促進
- 利尿作用(デトックス)
これらの作用はシナモンにもコーヒーにもどちらにもあるため、2つを合わせて摂れば相乗効果が期待できます。
特に血流促進、体脂肪分解、胃酸分泌促進などは、バターコーヒーダイエットと非常に相性が良いポイント。
だからバターコーヒーにシナモンを入れるのは、とても合理的なアレンジなのです。
なぜデイブ・アプスリーがこれに気づかなかったのか?
今からでもデイブにメールしたいですね。
バターコーヒーダイエットの詳しいやり方は、関連記事を御覧ください。
【要注意】カシアシナモンよりセイロンシナモンを選ぼう
効果のあるものには、必ず副作用があります。
シナモンも例外ではなく、シナモンに含まれる「クマリン」という成分は、過剰摂取すると肝臓に傷害を与えるのです。
コーヒーにシナモンを振って1杯飲んでいる程度はまず超えませんが、シナモンロールなどのお菓子を大量に食べている人は要注意です。
クマリンは特に中国産のカシアシナモンに多く含まれており、安価なカシアシナモンは大量に流通しているのでコーヒーショップの無料かけ放題のシナモンには注意しましょう。
自分で買うのであれば、クマリンの含有量が非常に少ないスリランカ産のセイロンシナモンがおすすめです。
セイロンシナモンは古来よりシナモンの最高峰と呼ばれています。
バターコーヒーにはシナモンを一振りしよう
シナモンの香りは好みが分かれるかも知れません
(うちの奥さんには眉をしかめられています…)
しかし人類が紀元前から重宝してきただけあり、その健康効果は折り紙付き。
残念ながらシナモンロールのように、小麦と砂糖たっぷりのお菓子にばかり使われているから、健康的なスパイスというイメージはないのかも。
バターコーヒーにシナモンを一振りするように、その効能を最大限活かすようなシナモンの摂り方をする方が、古来からの知恵を活かした感じでシナモンも本能でしょう。
これからコーヒーブレイクを楽しむ際は、ぜひ一振りのシナモンもお供にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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