鉄フライパンは使用後に水分を飛ばしてから油を塗って保管するのが、なかば常識のようになっています。
そしてなぜか、ネット上ではその際に「オリーブオイルを塗る」という説が非常に多いのです。
私も以前は何も考えずにオリーブオイルを塗っていましたが、鉄フライパンに油を塗る目的から考えると、これはあまり適切とは言えません。
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
【目次】
油は酸化して「固化」する
鉄フライパンに油を塗る目的は、フライパンの表面で油を「固化」させ、即席のコーティングとする事です。
鉄フライパンにはテフロンのようなフッ素コーティングがない分、コーティングの寿命がなく、どんどん油を固化させてコーティングを育てていけるのが魅力。
しかし油には「固化しやすさ」に違いがあるのです。
固化しやすいさを表す「ヨウ素価」とは
世の中には数多くの油がありますが、その油の「固化しやすさ」を表す指標が「ヨウ素価」です。
これは油脂がヨウ素を吸収する能力を示した値で、難しいことは置いておいて「ヨウ素価が高い=固化しやすい」と考えて貰えばOKです。
そしてヨウ素価の高さによって、油は「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」の3つに分類されます。
油のヨウ素価一覧
つまり固化しにくい油であるため、鉄フライパンを育てる油としては不向きなのです。
鉄フライパンを使いこなすには「米油」がベストな理由
ヨウ素価を踏まえた上で、私が鉄フライパンを育てるのに最も適していると思える油は「米油」です。
もちろんヨウ素価だけを見れば乾性油の「アマニ油」や「えごま油」がベストなのは間違いありませんが、以下の理由により私は米油を選びました。
- 臭いが少ない
- 価格とのバランスが良い
- ビタミンEを含み抗酸化力が高い
臭いが少ない
米油は非常に臭いが少なく、どんな料理にも使いやすい油です。
私も日々の料理で毎日使っています。
これがごま油や魚油だとかなり独特の臭いがあるので、料理に影響するし部屋も臭くなっちゃいますよね。
価格とのバランスが良い
アマニ油やエゴマ油は乾性油で固化しやすいため、フライパンのコーティングとしては優秀です。
でもただでさえ高いアマニ油を、フライパンの保存だけに使うのってもったいないですよね。
もちろんお金持ちの方なら躊躇なくできるんでしょうが、私には無理です。
価格とのバランスを考えると、アマニ油は無理で米油を選ばざるをえないですね。
ビタミンEを含み抗酸化力が高い
他の油にはない、米油の最大の魅力がこれです。
「ヨウ素価が高く固化しやすい」=「酸化しやすい」油であるため、これを多用する事は酸化した油を繰り返し食べるリスクがあるのです。
実際に私の毎日の料理に米油を使っていますが、繰り返し揚げ物に使用する際など、明らかに酸化しにくい、色が変わりにくい、臭いが出にくいのを実感します。
【注意点】固化しやすい=自然発火しやすい
ここで重要な注意点です。
ヨウ素価の高い油=固化しやすい=自然発火しやすい
こういう危険な特徴があります。
固化とは酸化であるため、酸化しやすい油は「酸化熱」を発生させて自然発火してしまう事があるんですね。
揚げ物の後に高温の油を吸い込んだ新聞紙を放置していたら自然発火してしまったという火事がありますが、そういう事故が起こりやすいのが乾性油です。
油返しのためにはオイルポット必須
米油なら普段の料理も使えるため、コンロ横にオイルポットを置いて油をためておけば、保管の際に油を塗る際もスムーズに使えます。
そもそも鉄フライパンを使いこなすのであれば「油返し」というテクニックが必須であり、その為にはオイルポットが必要。
ぜひ米油と一緒にオイルポットも用意しておいてください。
オイルポットの使い方については、リバーライトのレビュー記事で詳しく書いていますよ。
鉄フライパンは皮膜を育てて使いやすくなる
鉄フライパンに塗る油について、油膜を形成しやすい油という観点から解説しました。
鉄フライパンは錆びないようにするのが最大のポイントですが、一旦コーティングがしっかり形成されてしまえば簡単には錆びません。
そうして育った鉄フライパンは、フッ素コーティングのフライパンより使いやすく、料理が楽しくなりますよ。
なお鉄フライパンのコーティングについては、油膜だけでなく酸化皮膜というものもあるので、そちらの方も次の記事でご覧になってください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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