プロテインを飲んでいたら腎臓の数値が悪くなった場合の対処法について紹介します。
過剰なタンパク質が腎臓に負担をかける事はよく知られていますが、実はそれ以上に人工甘味料が問題である場合もあります。
尿タンパクや尿素窒素などが正常値をオーバーしている場合、まずは人工甘味料無添加のプロテインに変えてみましょう。
それ以外にも、食事で気をつけるべきポイントもありますよ!
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
【目次】
プロテインを飲んでいたら腎臓の数値が悪化するケースあり
プロテイン飲んで筋トレして、周りの中年よりよっぽど健康だぜ!
そう思っていたら、健康診断で再検査。
項目は「尿タンパク」
再度病院で尿検査してきてください。
こんなケースが意外と少なくありません。
でも大丈夫。
プロテインは確かに腎臓の数値を悪化させる事がありますが、対処法はあります。
まずは腎臓の役割や数値について知っておきましょう。
腎臓の気をつけたい項目
項目 | 正常 | 軽度 | 高度 |
尿タンパク(g/gCr) | 0.15未満 | 0.15~0.49 | 0.50以上 |
腎臓は血液中の老廃物を濾過し、排出するために尿を作る臓器です。
通常、タンパク質は腎臓で濾過されずに再吸収されますが、血液中のタンパク質が多すぎると濾過しきれずに尿に混じってしまいます。
プロテインでタンパク質を摂りすぎると、尿検査で尿タンパクが引っかかりやすくなりますが、そもそも尿タンパクは激しい運動をした後や発熱などでも増加しやすいので、1回の検査で引っかかっても必ず再検査が必要となります。
尿検査以外にも、血液検査では以下のもっと精度の高い指標が用いられます。
項目名 | 正常値 | 概要 |
血中尿素窒素(BUN) | 20mg/dl以下 | タンパク質の老廃物である尿素窒素を調べます。通常は尿として排出されますが、量が多すぎると血液中に増えてくる数値です。 |
血清クレアチニン(Cr) | 男性1.2mg/dl以下、 女性1.0mg/dl以下 |
筋肉の老廃物であるクレアチニンの量を調べます。通常は尿として排出されますが、量が多すぎたり腎機能が低下していると血液中に増えてくる数値です。 |
クレアチニン・クリアランス(CCr) | 100~120ml/分 | 腎臓で濾過される血液の量を調べます。24時間分の尿をためておいて検査するため、腎機能の総合的な指標として利用されます。 |
プロテインで腎臓に負担がかかる理由
腎臓の数値は腎機能の低下を表すだけでなく、単にタンパク質の摂取量が多すぎることの目安でもあります。
タンパク質の摂取源はプロテインだけでなく、普通の食事でもたくさん摂りますが、特にプロテインを1日2杯以上飲む人は注意が必要です。
過剰なタンパク質の排出
人間の三大栄養素の中で、タンパク質が脂肪や炭水化物と違う点は、窒素を含む点です。
身体の中でエネルギーとして使われた後、最終的には水と二酸化炭素にまで分解されて呼吸や尿で排出されるのです。これは実は脂肪も同じ。
しかしタンパク質だけは、炭素、水素、酸素の他に窒素を含んでいます。
この窒素を濾し取って尿にするのが腎臓の仕事で、当然量が多すぎれば腎臓が過労状態となり、次第に活動が低下してくるのです。
人工甘味料など添加物の排出
過剰なタンパク質が腎臓に負荷をかける事はよく知られていますが、それ以上にプロテインで問題なのは人工甘味料です。
市販のプロテインのほとんどにはアスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料が含まれており、これが腎臓に負荷をかけています。
人工甘味料も身体にとっては異物に違いありませんから、それを濾し取る作業で腎臓が過労となるのですね。
2011年にアメリカで発表された論文では、健康な女性3318名を11年間追跡調査した結果、人工甘味料を含む飲料を1日2杯以上飲むと、腎機能が30%低下するリスクがあるとのことです。
人工的に甘味を付けた(ダイエット)ソーダの1日あたり2サービング以上の消費は、eGFRの30%以上の低下(OR 2.02、95%CI 1.36〜3.01)および1.73 m 2 /年あたり3ml /分以上(OR 2.20、 95%CI 1.36〜3.55)。ダイエットソーダの1日あたり2サービング未満では、eGFR低下のリスクの増加は観察されませんでした。ダイエットソーダとMAまたはシュガーソーダとMAまたはeGFRの低下との間に関連性は認められませんでした。(Google翻訳)
引用(英語):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3022238/
ポイントは「人工甘味料ではない砂糖飲料なら腎機能低下との関連性はなかった」との事で、やはりエネルギーとして代謝できない人工甘味料が腎臓に与える影響は小さくないようです。
人工甘味料入のプロテインを飲む場合は、多くとも1日1杯までにしておくのが無難でしょう。
【対処法】プロテインは人工甘味料無添加のものに変える
プロテインで腎臓の数値が悪くなってきたら、まずプロテインを人工甘味料無添加のものに変えましょう。
無添加プロテインはスポーツショップなどに置いている事は珍しいですが、ネットなら比較的見つけやすいです。
日本メーカーであれば「ボディウイング」などが安くておすすめ。
大手メーカーならマイプロテインからも無添加が出ていますので、無添加プロテインのレビューは以下の記事で詳しく読めます。
本来プロテインは普通の食事より腎臓にやさしい
ここまで書くと「プロテイン=腎臓に悪い」という印象を与えるかも知れませんが、よくよく考えればプロテイン自体は普通の食事で摂るタンパク質より腎臓への負担は少ないはずです。
理由は単純で、タンパク質以外のものが少ないから。
普通の食事にはタンパク質以外にも、様々な添加物が含まれており、その中には腎臓に負担をかけるものも少なくありません。
人工甘味料などの添加物を使っていない無添加のプロテインなら、1日2杯くらいまでなら腎臓へ負担を掛けすぎる心配は非常に少ないと考えられます。
腎臓を気にするなら加工肉をやめる
腎臓の数値が気になるなら、プロテインより何より、まず加工肉の選び方に注意しましょう。
- ウインナー
- ハム
- ベーコン
これらの加工肉は手軽に食べられるタンパク質として重宝する方もいますが、市販の加工肉はほとんどが有害な添加物として知られる「亜硝酸ナトリウム」や、腎臓に負担をかける「リン酸塩」を含んでいます。
腎臓への負担でいえば、プロテインの人工甘味料より加工肉の食品添加物の方が遥かに多くのエビデンスを持って「危険」とされているので、まずこちらを断つのが先です。
なお最近では、これらの添加物を使用していない「無塩せき」のウインナーやベーコンも増えてきているので、そちらであれば常識の範囲内で食べても問題ないでしょう。
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