世界の塩の9割にマイクロプラスチックが含まれている
こんなショッキングな研究結果が発表されたのは、2018年です。【参照】
海洋プラスチックごみが国際的な問題となって久しいですが、海に流出したプラスチックが粉々に粉砕されてマイクロプラスチックとなり、魚の身体に取り込まれて、それを食べる人間にも摂取される事がわかっています。
それどころか、海水を蒸発させてつくる「塩」にも、マイクロプラスチックが含まれているとしたら心配ですね。
日本が誇るミネラルたっぷりの塩である「雪塩」「ぬちまーす」「海の精」「宗谷の塩」なども、全て日本近海の海水で作られています。
このような海の塩にマイクロプラスチックが含まれているのかどうか?調査した論文を紹介します。
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
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健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
この記事はYoutubeで解説した内容のブログ版です
マイクロプラスチックは岩塩にも含まれるから避けられない?
まず最初にお伝えしておきたいのは、冒頭で紹介した論文において、マイクロプラスチック含有量の多い塩は
「海塩>湖塩>岩塩」でした
つまり岩塩にもマイクロプラスチックは含まれているのです。
岩塩は太古の昔に地盤隆起で陸地に取り残された海が干上がって出来たもの。
その岩塩にマイクロプラスチックが含まれるということは、太古の海にもマイクロプラスチックがあったのか?
いやいや、そんなはずはありません。
実はマイクロプラスチックは、大気中にも大量に含まれているのです。
こういった大気中を浮遊するマイクロプラスチックが雨で落ち、地中に浸透して岩塩や地下水にも含まれるのです。
こういう訳でマイクロプラスチックは既に世界中に溢れていますので、これを避けようと思ったら並大抵のことではありません。
その上で、日本製の塩にもマイクロプラスチックが含まれているのか調査した論文を2本紹介します。
日本製の塩にマイクロプラスチックは含まれているか?2本の論文
塩を含む海産物にどの程度マイクロプラスチックが含まれているか?調査は世界中で行われていますが、日本製の塩に限れば意外と研究は少ないです。
その中でも、2本の論文を見つけましたので紹介しましょう。
結論から先にいうと
日本の塩のマイクロプラスチックを心配する必要はなし
とりあえず安心して大丈夫です。
膜によるろ過を経ればほぼ含まれない
こちらは2020年に、塩事業センター海水総合研究所で行われた調査です。
主に「海塩中のマイクロプラスチックをどのように検出するか?」の方法論となっていますが、日本製の海塩も6品目調査しています。
いずれの方法でも、日本製の塩からマイクロプラスチックはほぼ検出されず
その理由として、日本の塩はイオン交換膜や逆浸透膜、濾過膜などを通して製造されているので、その過程でマイクロプラスチックも除去されているとしています。
分子レベルのイオンを抽出する膜ですから、1nm以下のものしか通れず、マイクロプラスチックは通れません。
逆浸透膜も濾過膜も似たようなもので、このような高精度の膜を使う製塩であれば、海のマイクロプラスチックが塩に混入する可能性は低いでしょう。
日本製の塩26品目の調査
こちらはより大規模で、日本で市販されている塩26品目についてマイクロプラスチックの調査を行った2018年の論文です。
26品目中、マイクロプラスチックを検出したのは1品目のみ(商品名は非公開)
その量は10個/kgでした。
平均すると日本で市販される塩のマイクロプラスチック含有量は0.38個/kgとなります。
これを日本人の平均塩摂取量で換算すると、
塩からのマイクロプラスチック摂取量は1.4個/年です。
1年間で1.4個のマイクロプラスチックを塩から取ったからといって、なにか起きるはずもありません。
まったく無視して大丈夫です。
もしマイクロプラスチックが心配ならば、塩なんかに気を取られるよりも、もっと気をつけたほうが良いものがあるでしょう。
不織布マスクなんて、まさにマイクロプラスチックの塊ですよ。
四六時中マスクしながら、塩のマイクロプラスチックを心配しているとしたら滑稽としか言いようが無いですね笑
雪塩・ぬちまーすは逆浸透膜
沖縄産の海塩で有名な、雪塩・ぬちまーすは共に逆浸透膜を利用しています。
海水を逆浸透膜で濃縮した後、ろ過して蒸発させることで塩を作っています。
さらに雪塩の場合は海水を直接汲み上げるのではなく、土壌に浸透した地下海水を利用していますから、土壌によるろ過作用も加わっているはず。
この点から考えても、心配は少ないと思います。
海の精・伯方の塩は濾過膜
伊豆大島の海の精、伯方島の伯方の塩は、海水を濾過膜で綺麗にしてから平釜で蒸発させて作っています。
天日干しだけでなく、ろ過して濃縮した海水を利用しているのは同じなので、こちらも不純物は取り除けているでしょう。
世界の塩のマイクロプラスチック
最後に、世界の塩のマイクロプラスチック含有量も、これまでの研究結果からまとめられています。
クロアチアの27,000~31,680個/kgというのは、どう考えても異常
たまたま質の悪い検体に当たったか、製造過程で誤って混入したとしか思えません。
台湾が1300個/kg、インド洋が600個となっており、この辺が特にマイクロプラスチックが多い地域でしょう。
中国南部や東南アジアでは、塩田で天日干しだけで塩を作っていますから、ろ過が不十分で塩にもマイクロプラスチックが残っていると思われます。
不安であればこれらの塩は避けて、日本製を選んだほうが良いかも。
どちらにしても、塩に含まれるマイクロプラスチックなど些細なもので、そこまで気にするものでは無いでしょう。
安心して買って大丈夫です
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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