小麦粉には原産国表示の義務がありません。
なんでだよ!と思って調べたら、小麦は品質が安定しにくいので、小麦粉の品質を安定させるためにブレンドの比率をしょっちゅう変えるからとの事。とはいえ国産100%なら「国産」の表示ができるので、原産国にこだわるなら国産小麦粉を選ぶのが吉。輸入小麦粉の事情やリスクなど解説します!
・認定ダイエットインストラクター
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健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
【目次】
小麦粉には原産国表示の義務がない
スーパーで小麦粉の袋をおみくじボックスのように捏ねくり回し、原産国表示を探した経験のある方は少なくないはずです。
ホームベーカリーで使うために小麦粉を選んでいると、必ずこうして「なんで原産国がどこにも書いてねーんだよ!」という怒りを向き合わなくてはいけません。日本で売っている食品には原産国が表示してあるのが当たり前だと思っていましたが、小麦粉だけは例外なんですね。
なんで小麦粉には原産国表示がないの!?
この疑問を解消するため色々調べていると、平成28年に製粉協会が作成した「小麦粉への原料原産地表示適用の「実行不可能性」について」という資料が見つかりました。色々書いてありますが、理解するには次の3つのポイントが重要です。
- 小麦の品質は安定しない
- 安定した品質の小麦粉を作る為にブレンドしている
- 原産国表示を義務付けることが消費者の不利益になりうる
小麦の品質は安定しない
米に様々な種類があるように、小麦粉にも様々な品種があります。
そして米に比べて、小麦粉の品質は作付けごとに安定しないという性質があるんですね。資料内でも「輸入小麦粉の品質は、輸送船ごとに変わり安定しない」という事が書いてあります。
小麦粉の品質とは、主に含有されるタンパク質やグルテン量の事で、グルテンが多いほど粘り気が強く「強力粉⇒中力粉⇒薄力粉」と商品が変わります。だから含有グルテン量が安定していないのは、小麦粉にとって非常に重要な問題ですね。
安定した品質の小麦粉を作る為にブレンドしている
作付けごとに品質が安定しない小麦を使って、常に安定した品質の小麦粉を作るために、製粉会社では常に複数の種類の小麦をブレンドしているそうです。
納品された小麦の含有グルテン量を調べ、最終的な小麦粉製品に含まれるグルテン量が安定するために配合を変えている。こういうオペレーションが必要だから、小麦粉の原産国は頻繁に変更され、パッケージへの統一表記は不可能ということ。
なお日本の小麦輸入先は、アメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国でほぼ賄っています。
原産国表示を義務付けることが消費者の不利益になりうる
小麦の品質が安定しないから、小麦粉製品の品質を安定させるために原産国を常に変えている。
この現実がある以上、逆に原産国を固定表示することは消費者の不利益になりえます。つまり「アメリカ産」と表示してしまったらアメリカ産小麦を使わなくてはいけないので、小麦粉の品質が安定しない可能性があること。仕入れの柔軟性が失われて価格が上昇する可能性があることなど。
このような事情があって、小麦粉には原産国表示が義務付けられていないのです。原産国表示が無い理由は納得できましたが、そもそも最初の「安心して食べられる小麦粉を選びたい」という願望は満たされていません。
日本が輸入している小麦の大半からグリホサート農薬を検出
昨年(2018年)から今年にかけて、「農民連食品分析センター」が日本国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行ったところ、そのほとんどから農薬の成分グリホサートが検出された。国内産の小麦からは検出されていないことから輸入小麦に原因があると思われる。
引用:ハーバービジネスオンライン
2019年の記事ですが、ちょっとショッキングな内容。グリホサートはWHOが発がん性物質として指定している農薬であり、北米産小麦粉のほぼ100%から検出されたと言うことです。残留基準値を上回るものではありませんが、やはり進んで食べたいものではありませんよね。
北米産の小麦粉といえば、農薬だけでなく「グルテン」の問題もあります。
北米産小麦のグルテン問題
欧米人は昔から小麦粉を食べているので、遺伝的にも小麦粉と相性がいいはず。
そう思ったら大間違い。
現代の北米産小麦粉は、1950~60年代にかけて行われた「緑の革命」と呼ばれる品種改良によって劇的に生産性が向上した品種です。生産性が高いのは良いですが、含有グルテン量も劇的に多くなり、これがグルテンアレルギー増加の原因と言われているのです。
日本でもグルテンの危険性は最近になって注目されていますが、欧米人にとっても現代の小麦粉は耐えられるものでは無いんですね。アメリカ人は日本と比べて圧倒的に不健康ですが、食べ物の影響も少なくないと思います。
やっぱり国産の小麦粉を美味しく食べたい
日本製だからといって無条件に信頼する訳ではありませんが、やっぱり「国産」を謳っている小麦粉を食べたいものです。小麦粉に原産国表示の義務はありませんが、100%国産の小麦を使用していれば「国産」の表記をすることは可能です。
国産小麦を100%使いながらも、品質を安定させ「無農薬」であればなおよし。ホームベーカリーでパンづくりであれば強力粉を使うことになると思いますが、個人的にオススメなのは北海道産の「春よ恋」ですね。
一般社団法人農民連食品分析センターの検査でも、グリホサート、AMPA「検出せず」となっています。
小麦粉には原産国表示が無いが国産小麦粉は選べる
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