小沼敏雄のトレーニングメニューを見てみましょう!
日本ボディビル界の生ける伝説で、現在もトレーナーとして引く手数多な小沼敏雄選手。現役時代にはどんな筋トレをしていたのか?メニューだけでなく考え方なども非常に勉強になります!
【目次】
小沼敏雄のプロフィール
名前 | 小沼敏雄(こぬま としお) |
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身長・体重 | 175cm/83~90kg |
生年月日 | 1959年1月2日 |
現在の職業 | ゴールドジムトレーナー |
小沼敏雄は埼玉県三郷市出身、1978年に大学2年生で関東学生オープン優勝を果たし、ボディビルのキャリアをスタートさせます。その後も着々と戦績を重ね、1985年に中のヘルスクラブのトレーナーとして入社してから、トレーニング環境が大きく変わったとの事。
1985年から1999年まで、ミスター日本13連覇という偉業を成し遂げ、文字通り日本ボディビル界のレジェンドとなりました。身長175cmとボディビルダーとしては長身で、しかも小顔。バランスの取れたプロポーションの良さは歴代最高と言われています。
現在は2003年よりゴールドジムのトレーナーとして勤務しており、全国のセミナーは予約殺到して大人気となっています。
小沼敏雄2002年頃のトレーニングメニュー
【新刊情報】小沼トレーニングの謎を解く[特別対談]小沼敏雄×鈴木雅
小沼選手と鈴木雅選手が対談で、小沼選手の独特のトレーニング法を解きほぐしていく。多くのトレーニーにとって参考になるエキスがたっぷり詰まった特集。https://t.co/EGnUVU1t09 pic.twitter.com/QG4nWwxrC4— IRONMAN編集部 (@ironman_mag) June 15, 2020
ミスター日本13連覇のレジェンド・小沼敏雄が2002年頃に行っていたトレーニングメニューが、月刊『IRONMAN』No.361に掲載されていました。
メニューだけ見るとベーシックなものですが、その順番ややり方には小沼敏雄独自の試行錯誤が見られます。ここで記録も兼ねて、インタビューとともに紹介します。
- ダンベルショルダープレス
- アンダーグリップスミスマシンショルダープレス
- シーテッドサイドレイズ
- 片手ケーブルサイドレイズ
- ワンハンドリアデルトフライ
- ケーブルリアレイズ
- リアデルトロウ
肩の種目はダンベルショルダープレスから入っており、全体を見てもバーベルの種目がありません。ダンベルの効きやすさを重視しているようです。
私にはバックプレスなどの、バーベルでのプレス系種目があまり効かなかったんですが、ダンベルだと効いたんです。バーベルだとあまり収縮は掛けられませんが、ダンベルだと負荷をしっかりと受け止めて、そこから収縮できます。
月刊『IRONMAN』NO.361より
私個人はショルダープレスはバーベルの方が好みなんですが、これは良い悪いではなく個人差なんですよね。セオリーに囚われず「自分に合ったやり方」を選ぶのが、結局はベストだと改めて教えてくれます。
- フレンチプレス
- ナローベンチプレス
- プレスダウン
- ワンハンドケーブルエクステンション
- ダンベルプリーチャーカール
- ダンベルカール
- ハンマーカール
- リバースカール
- ケーブルリストカール
腕の筋トレも順番が面白くて、普通なら高重量を使えるナローベンチプレスを先にやると思いますが、フレンチプレスを第一種目にしています。
私は上腕三頭筋の筋膜が短く、ストレッチ感が出ないんです。普通はライイングエクステンションでもストレッチは掛けられるんですが、私の場合はフレンチプレスを最初にやらないと長頭を伸ばせないんです。背中を使いながら伸ばしていました。
月刊『IRONMAN』NO.361より
ここでも「自分に合ったやり方」を選んでいますが、トレーニングだけでなく解剖学的な知識にも精通している事がわかりますね。やっぱりミスター日本ともなるとガムシャラだけでは上手くいかないんでしょう。
「背中を使いながら伸ばす」とは、単に肘だけを動かすフレンチプレスではなく、肘自体を背中側に倒して、ウェイトの力で上腕三頭筋をストレッチしていたのだと思います。第一種目でストレッチを掛けることで、続く種目を効かせやすくしていたのでしょう。
- レッグエクステンション
- スクワット
- レッグプレス
- スミスマシン片足スクワット
- ワンレッグカール
- デッドリフト
- インナーサイ
- ドンキーカーフ
- 首押し
- ニーアップ
- ケーブルサイドレイズ
- ケーブルリアレイズ
脚の日では、スクワットより先にレッグエクステンションでした。これは膝痛を回避するためだったと語っています。
なぜエクステンションを最初にやったかと言うと、私は膝が悪かったんです。いきなりスクワットをやると、膝が痛くなってくるんですよ。また、エクステンションをやることで血流が良くなって、その後の種目がやりやすくなります。
月刊『IRONMAN』NO.361より
軽めのレッグエクステンションをウォームアップ代わりにやることで、スクワットでの膝痛が緩和されたそうです。これは膝痛に悩む人には大いに参考になりそうなテクニック。
またこの日の後半では、サイドレイズとリアレイズが入っていますが、これは「弱点部位克服」の為に、敢えてボリュームを増やしていた為だそうです。
- ダンベルベンチプレス
- インクラインダンベルプレス
- インクラインダンベルフライ
- ディップス
- ケーブルクロスオーバー
- ダンベルプリーチャーカール
- ハンマーカール
- リバースカール
- レッグレイズ
胸の種目もベーシックなバーベルベンチプレスは行っておらず、ダンベルからスタートです。ボディビルダーにとっては重量を求めるより、如何に筋肉に上手く効かせるかが重要だとよくわかりますね。
バーベルでなくダンベルでやっていた理由は、肩と一緒です。ただしおろした時にダンベルを外側に傾けると、筋肉が伸びすぎて危ないんです。ストレッチポジションでダンベルを内側に傾けると、肩が固定されて伸びすぎることはなくなります。そして挙げたときには、外側に傾けて旨を収縮させます。
月刊『IRONMAN』NO.361より
ダンベルプレスで、ストレッチポジションでは内側に傾ける。トップポジションでは外側に傾ける。記事を書きながらエアーでやってみましたが、たしかに上手く胸が動く気がします。早くジムで試してみたくなりますね!
この日も腕の弱点部位克服の為に、カール種目を加えていますね。前腕を鍛えるハンマーカールは、高レップで疲れ果てるまでやるそうです。
- ラットプルダウン
- スミスマシンベントオーバーロウ
- ケーブルロウ
- パラレルチンニング
- スパイダーロウイング
- ワンハンドマシンロウ
- アンダーグリップラットプルダウン
- シュラッグ
- フレンチプレス
背中の第一種目はストレッチ狙いのラットプルダウンを行っていますが、小沼敏雄インタビューを見ると背中の種目は全体的に「収縮」を意識しているように見えます。
引いた時に肩甲骨をぐっと寄せます。日本人選手にとって、上背部は発達しづらい部位なんです。かなり引きいらないと、上背部には効かせられません。
(中略)
(チンニングでは)中途半端な挙げ方だと全く効かないんです。背中を押してもらってギュッと収縮させてから下ろすことで、すごく効いてきます。その一瞬の「収縮」が大事なんです。これは「止める」のとは違います。「来たな!」というところで、一瞬ギュッと収縮させます。これが出来るか出来ないかで、差が出てきます。
月刊『IRONMAN』NO.361より
動作を止めるのではなく(止められるような重量ではやってない)、ココ!という所でギュッと収縮させる。かなり感覚的な話ですが、背中のトレーニングでは特に収縮が大事というのは何となくわかります。その辺はトレーニングを繰り返して感覚を養うしか無いんでしょうね。
小沼敏雄のトレーニングメニューは効かせる事を重視したオリジナルだった
ボディビル界の伝説・小沼敏雄のトレーニングメニューについて紹介してきました。
特集記事を通して感じたのは、マニュアルやセオリーに囚われず「自分に合ったやり方」を追求しているなと言うこと。そして自分の身体の特性を理解して、筋肉に上手く効かせる方法を徹底的に追求しているという事です。
もちろん教科書はある程度必要ですが、結局に人間の身体は千差万別なのだから、自分にあったやり方が一番。また1つ勉強になりました!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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