VILPAとは「Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity」の頭文字で、
意訳すると「日常生活の空いている時間に行える活発な運動」です。
スキマ時間で出来るような簡単な運動で、従来考えられていたよりも遥かに大きな健康効果を得られることがわかりました。
最近ちょっと老化が気になる方、ダイエットしたい方、健康診断で引っかかった方などはぜひ取り組む価値があります。
VILPAについて詳しい解説と、簡単に取り組めるVILPA運動メニューを紹介します!

・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
1分間のVILPAで40%死ににくくなる
日常生活の中で、実際どの程度の運動をしているのか?
気合を入れてジムに行ったり、宅トレメニューをこなしたりする以外の運動は、これまで捕捉するのが困難でした。
しかしアップルウォッチなどのウェアラブルデバイスが普及したおかげで、ユーザーが24時間でどの程度の運動をしているかが正確にわかるようになったのです。
これを利用して、日常にVILPAを取り入れているかどうかと、健康指標が相関するかどうかを調べたのがオーストラリアのシドニー大学チャールズ パーキンス研究センターのスタマタキス教授です。
「VILPAは、最大1~2分程度のごく短い時間の運動であっても、それを毎日積み重ねることで、考えているよりも大きな健康効果を得られることを示すものです」と、研究センター生活スタイル・ポピュレーションヘルス部のエマニュエル スタマタキス教授は言う。
そうした1分間以上の運動や身体活動を、毎日3~4回行うだけでも、全死因およびがん関連の死亡リスクを最大で40%減少でき、心血管疾患に関連する死亡は最大49%減少できることが明らかになった。
「1日に合計3~4分の非常に短い運動を数回行うだけでも、大きな効果が得られる可能性があります。どんな人でも、生活でちょっと工夫するだけで、1分間の心拍数を上げられる身体活動を行うチャンスはたくさんみつけられるはずです」としている。
引用:糖尿病ネットワーク
この研究では英国バイオバンクに参加している2万5千人の男女を対象に、7日間に渡ってウェアラブルデバイスを装着してもらって日常の運動量を調べるとともに、過去7年間の健康データを追跡調査しています。
その結果、以下の事がわかりました。
- 全参加者の89%は何らかのVILPAを行っている。うち93%は、最大1分間のVILPAを行っている。
- VILPAを行っている人は平均して、1日に最大1分間のVILPAを計8回・6分間行っている。
- 1日に高い頻度でVILPAを行っている人では、行っていない人に比べ、健康改善の大きな効果がみられた。VILPAを行う回数・量が多くなるほど、健康改善の効果は大きくなった。
- 1~2分のVILPAを1日に3回行っている人では、行っていない人に比べ、全原因およびがんによる死亡リスクが38~40%低く、心血管疾患による死亡リスクが48~49%低かった。
- VILPAを1日に最大11回行っている人は、がん関連の死亡リスクは49%低く、心血管疾患による死亡リスクが65%低かった。
全参加者の89%が何からのVILPAを行っている。
これは決して参加者の運動意識が高いわけではなく、ウェアラブルデバイスで細かく調べれば誰でもそれくらいの運動はしているという意味です。
これまで各国の保健機関では、健康のための運動を推奨する際に、ウォーキングやランニング、テニス、ジム通いなどを推奨してきました。
その理由は、そのようにわざわざ時間を取って行う運動でなければ、実際にどのくらいやっているかを調査できなかったからです。
しかしウェアラブルデバイスでの調査によってわかったことは、「わざわざ時間を取って行う運動」以外の日常生活の中での運動が、過小評価されていたという事ですね。
代表的なVILPAの例
- 歩くときは速度を少し上げてみる
- 歯磨き中にかかと上げを繰り返す
- 時間に余裕があるときはひとつ余計に離れたバス停まで歩く
- 帰宅時にひとつ手前の駅で降りて歩く
- エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
- 手近にあるペットボトルをダンベル代わりにして使い軽い筋トレをしてみる
- 休日は子供たちと活発に体を動かすゲームをする
このような簡単な運動、日常生活の中で運動量を増やせる機会を見逃さず、積極的に身体を動かすことが将来的な健康につながってきます。

この世で最も価値のある財産は「健康」以外にありえません。
その健康は、本来誰もが持っているもの。
みんな自分の選択によって自ら捨てているだけなのです。
こんな簡単なことをやれば良いだけなのに、やらないんだから。
スキマ時間で出来るVILPA筋トレメニュー
VILPAの意義はわざわざ時間を取ってジムに行ったりしなくても、日常生活の中で運動量を増やせる事です。
とはいえ効率的に筋肉を刺激したいなら、ある程度筋トレ的なメニューも取り入れたほうが良いでしょう。
ここではキッチンでお湯を沸かしている間や、テレビCMの間にサッとできる1分間のVILPA筋トレメニューを動画で紹介します!
※動画は音が出ますが消音でも見られます。
1分VILPA①浅いスクワット
難易度 | ★★★☆☆ |
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主に鍛えられる部位 | 脚・お尻 |
1分VILPA②バックランジ
難易度 | ★★★★☆ |
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主に鍛えられる部位 | 脚・お尻 |
1分VILPA③片足スクワット
難易度 | ★★★★★ |
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主に鍛えられる部位 | 脚・お尻・体幹 |
1分VILPA④腕振りステップ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
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主に鍛えられる部位 | 脚・腹筋・腰 |
1分VILPA⑤背伸びキープ
難易度 | ★★☆☆☆ |
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主に鍛えられる部位 | ふくらはぎ・腹筋・背中 |
1分VILPA⑥ももあげひねり
難易度 | ★★☆☆☆ |
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主に鍛えられる部位 | 腹筋・腰 |
1分VILPA⑦四股踏み
難易度 | ★★★★★ |
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主に鍛えられる部位 | 脚・お尻・体幹 |
「どんな運動もやらないよりマシ」で続けやすくなる
私のところに届く質問には「このメニューは効果ありますか?」とか「これやってれば痩せますか?」といった類の「自分がやっている運動が効果あるのか無いのか不安」という質問がめちゃくちゃ多いです。
そんなとき私が答えるのは「どんな運動もやらないよりは効果ありますよ」というもの。
(※もちろんもう少し気を使った言葉を使いますが笑)
VILPAに関する研究は、それが正しいことを教えてくれます。
百里の道も一歩から・塵も積もれば山となる
100点の方法でなくて良いのです。
10点ずつでも積み上げていけばいいだけです。
そしてよっぽど意志力の強い人でない限り、後者のやり方の方が長く続けられて結果も出せます。
この記事は『Nature Medicine』に掲載された論文を参照しました。
https://www.nature.com/articles/s41591-022-02100-x
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