重曹クエン酸水が流行っています。
ちまたでは「ガンが消えた」とか「あらゆる病気が治る」とか実しやかに囁かれていますが、その実態はよくわかりません。
今回は私が実際に重曹クエン酸水を飲み始め、自分で効果を体感した事として
「筋トレ後に重曹クエン酸水飲むと良い理由」を解説していきます。
重曹クエン酸水の概要と、特に筋トレ後に飲む事の効果、そして飲む際の注意点などをまとめました!
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
【体感】明らかに疲労の残り具合が違う
筋トレの後にロッカールームで重曹クエン酸水を一気飲みする習慣をはじめて、約1ヶ月の時点でこの記事を書いています。
私は週4~5日、分割法で1日ごとに1つの部位を3~4種目で追い込むトレーニングをしているので、かなり疲労がたまります。
筋肉痛で日常生活に支障が出るのは避けたいのですが、この重曹クエン酸水をはじめてから明らかに疲労の残り具合が違う事を実感していますね。
もちろん追い込んだ部位の筋肉痛は多少あるのですが、特にトレーニーを悩ませる「全身の倦怠感」「日中の眠気」などがほとんどありません。
なぜ重曹クエン酸水が筋トレ後の疲労感を癒やしてくれるのか?
その効果を次で考察します。
重曹クエン酸水とは
重曹クエン酸水とは読んで字の如し、重曹とクエン酸を水で溶かしたドリンクの事です。
私の場合、プロテインシェイカーに重曹とクエン酸を5gずつ入れ、冷水400mlで溶かして飲んでいます。
重曹とクエン酸は激しく反応して炭酸水になるので、出来上がったドリンクは完全に炭酸水。
この重曹とクエン酸について、以下で解説します。
重曹の効果
重曹とは「重炭酸曹達(ソーダ)」の略であり、科学的には炭酸水素ナトリウムと呼ばれます。
重曹は8.0~9.0の弱アルカリ性で、体内を弱アルカリ化する働きがあるのです。
身体の様々な働きを司る酵素たちは、ほんの僅かなpHの変化でも働きが鈍るため、身体の酸性化は非常に重大な問題。
そこで主に腎臓などから重炭酸イオンが供給され、体液を弱アルカリ性に戻していく訳です。
重曹は、この重炭酸イオンの主要な原料となります。
筋トレをすると筋肉内でブドウ糖が分解され、大量の乳酸が発生しますが、この乳酸自体はその名の通り酸性。
かつて乳酸自体が疲労物質であると考えられていましたが、現在では乳酸生成の過程で体液が酸性化していくことが疲労感の原因と言われています。
そこで筋トレや激しいスポーツの際に、重曹を摂取することで体液の酸性化を防ぎ、疲労感を軽減できることは数々の研究で確かめられてます。
参照:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2020.00154/full
クエン酸の効果
クエン酸は柑橘類や梅干しなどに含まれる有機酸で、人間の体内でも常に生成されています。
人間が生きるためのエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアがほとんどを作り出しており、ミトコンドリアは酸素と脂肪酸、そして糖質などを燃やして、せっせとエネルギーを作ってくれているのです。
そしてこのミトコンドリアがエネルギーを作る回路を「クエン酸回路」と言います。
その名の通りこの回路にはクエン酸が不可欠なので、運動後のエネルギーがほしい時にクエン酸を摂取するのは非常に合理的。
クエン酸はクエン酸をブーストしてエネルギー産生を増やすだけでなく、筋トレによって発生した乳酸の分解を促し、体液の酸性化を防ぐ役割も持っています。
クエン酸の疲労回復効果は、国内外の数々の研究で実証されています。
参照:https://brand.taisho.co.jp/contents/sports/529/
混ぜる意味は?
重曹とクエン酸を混ぜると、激しく反応して炭酸ガスを生じ、酸とアルカリが中和されていきます。
このため「混ぜたら意味ないのでは?」という向きもありますが、いかにも頭でっかち。
確かに重曹とクエン酸は混ざると中和していきますが、一瞬で全てが中和する訳ではなく、混ぜた直後に飲めば重曹とクエン酸をそのままの形で摂取できます。
またクエン酸にはミネラルと結合して吸収しやすくする「キレート作用」があり、これによって重曹のナトリウムと結合して「クエン酸ナトリウム」を形成します。
このクエン酸ナトリウムも体内の重炭酸イオンの主要な原料であるため、結果として体液の弱アルカリ化の効果は高いと言えるのです。
何よりもっと単純な理由ですが、
これを混ぜることでスカッとした炭酸水になり、とっても美味しく飲めます。
なお重曹は水温が高いほど早く溶けて炭酸ガスが抜けてしまうので、冷水で溶かすのがおすすめ。
私はジムの冷水機が使えるので、シェイカーに重曹とクエン酸の粉だけ入れていき、飲む時に冷水機で水を入れてシャカシャカしてから一気に飲み干しています。
筋トレ後の重曹クエン酸水の効果
ここまで見てきた筋トレ後の重曹クエン酸水の効果を、以下にまとめます。
- 乳酸を分解し酸性化を防ぐ
- クエン酸回路をブーストしミトコンドリアを活性
- 体液を弱アルカリ性にして尿酸の排出を促進
乳酸を分解し酸性化を防ぐ
筋トレをすると筋肉内でブドウ糖が分解され、乳酸が発生して体液が酸性化していきます。
基本的には腎臓から供給される重炭酸イオンで元に戻りますが、重曹クエン酸水を飲むことでこの働きを強力にサポートし、体液を弱アルカリ性に戻していきます。
体液のpHは酵素やホルモンの働きにダイレクトに影響するため、体液を正常な状態にすることで筋発達や疲労回復にも少なからずメリットがあると考えられます。
クエン酸回路をブーストしミトコンドリアを活性
細胞内のミトコンドリアは、クエン酸回路によって脂肪や乳酸を燃やしてエネルギーを作り出します。
クエン酸の摂取によってミトコンドリアを活性化し、エネルギーの産生を増やすことで筋トレ後の疲労回復、全身倦怠感の予防となります。
ミトコンドリアが作ったエネルギーは筋肉だけでなく全身のあらゆる機能に使われるため、クエン酸は毎日でも摂った方が良いサプリ。
体液を弱アルカリ性にして尿酸の排出を促進
筋トレとは筋繊維を破壊する行為であり、細胞が破壊されると核酸の一種であるプリン体が放出されます。
放出されたプリン体は新たな細胞分裂に使われるのですが、使われなかった分は代謝されて尿酸となります。
プリン体・尿酸…
そう、痛風です。
尿酸は普段は体液に溶けていますが、量が多すぎて溶けきれなくなると、尿酸ナトリウムの結晶となり、この結晶が神経を傷つけて激痛を伴う痛風発作が起きます。
尿酸は弱アルカリ性の液体に溶けやすく、酸性の液体には溶けないため、体液が酸性化していると尿酸が結晶化しやすくなるのも原因です。
重曹クエン酸水は体液を弱アルカリ性にし、尿酸を溶けやすくして排出を促してくれるのです。
痛風は大の大人が涙目でのたうち回るほど痛い、とっても恐ろしい病気。
重曹クエン酸水を飲む際の注意点
- 作り置きはせず一気飲み
- プロテインと一緒に飲むのはNG
- 飲み終わった後はうがいをして口内を洗浄
作り置きはせず一気飲み
先述の通り、重曹とクエン酸を混ぜると激しく反応して炭酸ガスがどんどん抜けていきます。
この炭酸ガスは体内で血管を拡張して血流を良くしてくれる為、無駄にせず一気に飲み干しましょう。
作り置きして炭酸が抜けても、クエン酸ナトリウムによって体液の弱アルカリ化には貢献してくれますが、少しでも効果的に飲むなら一気飲みがベストです。
プロテインと一緒に飲むのはNG
筋トレといえばプロテイン。
重曹クエン酸水とプロテインを混ぜて飲んでいるという人もいるようですが、私は辞めたほうが良いと思います。
その理由は重曹が胃酸を中和して、薄めてしまうから。
胃酸は単に食べ物を溶かすだけでなく、タンパク質を分解して吸収しやすくする消化酵素をたくさん含んでいます。
重曹クエン酸水が胃酸を中和してしまうと、プロテインの分解吸収も阻害する可能性が高いため、混ぜて飲むのはNGです。
そもそも全ての食事に言えることで、食事の前後1時間ほどは重曹クエン酸水を飲まないほうが良いでしょう。
飲み終わった後はうがいをして口内を洗浄
クエン酸水だけで飲まない理由は、酸性であるため歯にダメージが大きいからでもあります。
重曹と混ぜたところで、一気飲みするならクエン酸の酸性はそのまま。
少なからず歯へのダメージは無視できないため、飲み終わったらすぐにうがいし、口腔内に残らないようにした方が良いでしょう。
重曹クエン酸水で筋トレライフを充実させよう
- 重曹クエン酸水は筋トレの疲労回復に役立つ
- 筋トレによる体調不良・痛風などを防ぐ効果も
- 胃酸を中和するためプロテインとの併用は不可
筋トレ後の重曹クエン酸水の効果について、まとめて解説してきました。
私の筋トレライフを大きく向上させてくれて、トレーニングの効率もかなり上がっています。
健康でかっこいいボディを作るために筋トレしているなら、一度試してみる価値はありますよ。
なお重曹とクエン酸は、最低でも「食用グレード」のものを選んでください。
そして化学的に合成されたものより、天然鉱石が由来のものの方が自然のミネラルを含み、有用性も高いようです。
日本製にこだわらないのであれば、コスパを考えると「ニチガ」がおすすめ。
重曹クエン酸水ファンの間でも定番になっているので、この2つセットが一番買いやすいですね。
ただしその分、品切れも多いのでこまめにチェックしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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