霧島天然水のむシリカの定期購入を再びはじめたのですが、ふと知り合いから「犬にも飲ませていいの?」と聞かれたので、調べてみました。
シリカは筋肉、皮膚、血管、毛髪など様々なタンパク質の合成に必要なので、人間だけでなく犬にも大切な栄養素。しかし人間と違って犬には、思わぬリスクがあるようです。
【目次】
のむシリカは犬に飲ませてはダメ?
結論から言うと、のむシリカのようなシリカ水は犬、猫などペットに飲ませるのはやめた方が良さそうです。
もちろん犬にとってもシリカは不可欠な栄養素ですが、どうやら身体の小さい犬にとってはシリカの過剰症が出やすい様子。
エビデンスを紹介します。
鹿児島県霧島市では犬のシリカ尿路結石が多い
これまでの研究で、我々は鹿児島県においてシリカ尿結石のイヌが多くみられること、及び県内の水道水中のシリカ濃度は他の地域に比べて著しく高いことを報告した。
シリカ結石の発生原因として、飲料水との関連性が示唆されたため、今回、国内のいくつかの地域の水道水中シリカ濃度を測定した。
その結果、大分県竹田市、茨城県筑西市付近でシリカ濃度が高いことが判明した。
引用:イヌにおけるシリカ結石の誘発因子と予防
イヌのシリカ尿路結石症は極めてまれな病気と言われていますが、鹿児島県霧島市では発症例が多く見られる事が報告されています。
そしてその原因が、この地方特有の水にあると言われているのです。
これを見ると、イヌにシリカたっぷりの水を飲ませるのは、リスクが高いと言えるでしょう。
言わずと知れたのむシリカの産地
鹿児島県霧島市といえば、言わずと知れた「霧島天然水のむシリカ」の採水地。
火山性の土壌により、水に溶け出すシリカの量が多いことが知られています。
前述の論文から資料を引用しましたが、全国の他の地域に比べても2倍以上のシリカ濃度。
しかも飲用水に含まれるシリカは家庭用浄水器では除去できないので、特に霧島市のイヌや猫ではシリカの過剰摂取による結石のリスクが高くなってしまうのですね。
犬がシリカ尿路結石になりやすい理由
霧島市の水にはシリカが多いことは明らかになりましたが、人間の尿路結石については、特にリスクは高くないようです。
そもそも人間の結石はカルシウムやシュウ酸などが主な原因で、シリカ結石は極々まれな例。
なぜ人間は平気なのに、イヌはシリカ結石になるのか、その原因も上記論文にヒントがありました。
コロイド化したシリカが体内で吸収されて尿結石形成に関与するためにはコロイドが溶解する必要がある。
シリカはpHが8.5以上で急速に溶解しやすくなることが知られている。
一般にイヌの消化管pHはヒトよりもやや高い傾向があり、まれにpH8.5以上程度になる
引用:イヌにおけるシリカ結石の誘発因子と予防
コロイドとは、水に溶けたシリカが水の中で非常に小さな粒子としてまとまった状態。
吸収されるためには、このコロイドを溶解する必要がありますが、イヌの消化管は人間の消化管よりもコロイドを分解しやすく、それがシリカの過剰吸収に繋がってしまうのなど推測されています。
ペットフードにも要注意?
上記論文を一通り読むとわかりますが、霧島市でイヌがシリカ結石を発症する原因は、シリカ水だけではないようです。
実はペットフードも多くのシリカを含んでいるものがあり、シリカたっぷりの水+フードの組み合わせでシリカ結石となっている可能性が高い様子。
霧島市、大分県竹田市、茨城県筑西市など水のシリカ含有量が多い地域では、ペットフードのシリカ含有量も気を使っていたほうが良さそうです。
しかし多くのフードにはシリカ含有量など記載されていませんので、選び方は難しいですね。
シリカが心配ならグレインフリーが安心
人間やイヌなど哺乳類のシリカ摂取源は、水を除けば米や小麦などの穀物が主となります。
特に水のシリカ含有量が多い地域では、穀物を含まない「グレインフリー」のドッグフードが安心であると言えるでしょう。
元々イヌの消化管ではトウモロコシや小麦などは消化しづらいため、グレインフリーのフードは人気があります。
シリカ水は人間だけが飲むようにしておき、ワンちゃんにはシリカ過剰にならないように注意してみてはどうでしょうか
のむシリカは人間だけが飲もう
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