糖尿病治療薬の「メトホルミン」が、コロナ後遺症の予防にイベルメクチンより効果的であるとの論文が出ました。
元々糖尿病患者はコロナ重症化リスクの高い要素であり、糖尿病治療薬のメトホルミンがコロナ重症化予防に効果的であるとの報告はあったのです。
しかし実際にイベルメクチンなど他の薬と比較して、明確な効果を報告した論文は希少
そしてメトホルミン自体も、古い薬ではありますが糖尿病治療以外に様々な効果が発見されている薬でもあります。
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
・公認サプリメントアドバイザー
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
【目次】
メトホルミンがコロナ後遺症にイベルメクチンより有効との論文
SARS-CoV-2感染が証明されてから3日以内に登録された30歳から85歳の成人1,125人を対象とし、全員が肥満・過体重の糖尿病という被験者。
メトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミンの3つの薬の効果を確かめるため、それぞれを投与するグループとプラセボグループに分けられました。
コロナ禍真っ最中の頃は、感染者にプラセボを処方する事の同意が得にくかったため、なかなかこういう実験はできなかったのですが、やっと出てきましたね。
メトホルミン群6.3%、メトホルミン対照群10.6%、
イベルメクチン群8.0%、イベルメクチン対照群8.1%、
フルボキサミン群10.1%、フルボキサミン対照群7.5%であった
病初期にメトホルミンを処方されたCOVID-19の外来患者さんは、プラシーボを与えられた患者さんに比べて、後遺症にかかる頻度が42%相対的に、4.3%絶対的に減少した。
この結果は、メトホルミンがCOVID-19の後遺症の予防に有効であることを強く示唆する。
メトホルミン投与群は、プラセボ群と比べて42%コロナ後遺症になるリスクが減少。
意外だったのは、イベルメクチンがほとんどコロナ後遺症を予防していないこと。
イベルメクチンは作用機序から言ってオミクロン以前には大きな効果がありましたが、オミクロン以降の株には効きづらいのかも知れません。
いずれにせよ、メトホルミンにコロナ後遺症治療の可能性が出てきたことは、現在もロングコビットに悩まれている患者さんにとって朗報だと思います。
メトホルミンは糖尿病治療薬
メトホルミンについて、簡単に紹介します。
メトホルミンは元々ヨーロッパで糖尿病と治療するハーブとして知られていた「ゴーツルー」から抽出された成分を使用し、医薬品として販売されはじめたのは1958年。
非常に歴史の古い薬です。
その作用機序は独特で、インスリン分泌を促すのではなく、インスリン抵抗性を改善してインスリンの効きを良くするのです。
糖尿病患者はインスリン分泌が減少し、さらにインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を強く発症しています。
このインスリン抵抗性を改善するのが、メトホルミンの効果。
その他の糖尿病治療薬では、インスリン分泌量を増やすものがありますが、この場合インスリンが増えすぎて血糖値が下がりすぎ、低血糖を起こすリスクがあります。
インスリン分泌を増やさないメトホルミンは、より安全な糖尿病治療薬として開発され、現在まで使われているわけですね。
日本では処方薬なので購入するなら個人輸入
メトホルミンは日本でもよく使われている薬ですが、処方薬であるため医師の処方が無ければ購入できません。
現在コロナの治療にメトホルミンは適用されていないため、コロナ後遺症にメトホルミンを処方してもらうのは難しいでしょう。
手に入れたいのであれば、海外からの個人輸入が可能です。
メトホルミンは歴史が古く世界的に使用されているため、安価なジェネリックを簡単に購入できます。
私もよく使っているユニドラでも、メトホルミンのジェネリックがたくさん入荷されていますね。
その他にも日本の医薬品不足によって、常備薬を個人輸入せざるを得なくなった糖尿病患者さんも購入している様子。
ジェネリックならかなり安価に買えるので、興味があれば1箱くらい持っておいてもいいでしょう。
ユニドラでは台湾から発送されるため、注文から2週間程度で届きます。
海外医薬品の個人輸入サイトの中では、クレジットカードが使える貴重なサイトですよ。
メトホルミン500mg28錠 | \3,606~(購入ページへ) |
---|---|
メトホルミン1000mg100錠 | \3,701~(購入ページへ) |
1000mgの方がコスパは良いですが、副作用リスクが心配な方は500mgからをオススメします。
メトホルミンの新たにわかってきた作用
冒頭でも少し触れましたが、糖尿病治療薬として開発されたメトホルミンには他にも様々な効果がわかってきています。
元々ハーブから抽出された天然成分ですから、意図した効果以外にも様々な働きがあるのはむしろ当然。
現在までにわかっている主なメトホルミンの効果は、以下になります。
- ガンリスクの低減
- ダイエット体重減少
- 腸内細菌叢の改善
- 抗糖化・アンチエイジング作用
- 認知症予防・ブレインフォグ改善
ガンリスクの低減
そもそもガン細胞は糖質を好むため、糖尿病はガンのリスクを劇的に高める危険な病気です。
その糖尿病を治療する薬であるメトホルミンに抗ガン作用があるのは、ある意味当然。
メトホルミンは単に糖尿を改善するだけでなく、がん細胞を抹殺する酵素であるAMP活性化プロテインキナーゼの分泌を増やし、がん細胞の増殖を抑えると言われています。【参照】
ダイエット体重減少
メトホルミンがインスリンの働きを強くする際、GLP-1というホルモンを分泌させます。
GLP-1作動薬は最近ダイエット薬としても人気が高まっていますが、メトホルミンにもGLP-1を活性化する働きがあるのですね。【参照】
GLP-1は主に消化管に作用するホルモンで、胃腸のぜん動運動を抑制して食べ物の胃への滞留時間を長くします。
つまり腹持ちを良くして食欲を抑える作用があるため、ダイエット効果が期待できるわけです。
また腸管からの糖質の吸収を抑制して、過剰な糖質を便として排出するため、この点からもダイエット効果が高いと言われています。
腸内細菌叢の改善
メトホルミンを投与することで、腸内細菌叢が変化し、善玉菌が増えたという報告があります。【参照】
これはメトホルミンによる糖質吸収抑制により、吸収されなかった糖質が大腸に達して、大腸に住む乳酸菌やビフィズス菌を増やしたからと考えられますね。
糖質はふつう小腸で全て吸収されますが、小腸で吸収されずに大腸まで糖質が届くことで乳酸菌やビフィズス菌のエサになってくれます。
だから消化吸収されにくい糖質であるオリゴ糖などが、お腹に優しいと言われる所以ですね。
メトホルミンによる糖質吸収抑制が、結果的に全ての糖質を「お腹に優しい糖」にしてくれるという訳です。
抗糖化・アンチエイジング作用
糖質の吸収を抑えることは、アンチエイジングに繋がります。
なぜなら過剰になった糖質が体内でタンパク質と結合して「糖化」する事を防いでくれるから。
「糖化」は「酸化」と並んで人間の細胞を老化させる非常に大きな因子であり、この糖化を防ぐことお肌、筋肉、血管、内臓のアンチエイジングに繋がるわけです。
逆に言えば、全身を糖化させまくる糖尿病はそれだけ危険な病気だという事ですね。
認知症予防・ブレインフォグ改善
以前からメトホルミンには、認知症の予防効果があると報告されてきました。【参照】
そもそも糖尿病は認知症の危険因子なのですが、コロナ後遺症の代表的症状であるブレインフォグにも効果的である可能性があります。
認知症で1番多いアルツハイマーでは、脳内にアミロイドβという異常なタンパク質が蓄積して脳細胞の機能が低下します。
実はこのアミロイドβを掃除してくれるのが、インスリン分解酵素なのですね。
2型糖尿病患者はインスリンの効きが悪いため、なかなか血糖値が下がらずインスリンが大量に分泌されます。
すると役目を終えたインスリンを分解する酵素が大忙しになり、アミロイドβの掃除にまで手が回らなくなります。
これが、糖尿病が認知症リスクとなる原因なのです。
メトホルミンはインスリンの分泌を増やさないため、インスリン分解酵素がアミロイドβの掃除に回れるようになり、結果として認知症を防いでいます。
これと同じ原理で、ブレインフォグの原因となる異常タンパク質を、インスリン分解酵素が分解してくれればコロナ後遺症も改善するかも知れませんね。
メトホルミンの注意すべき副作用
メトホルミンは医薬品ですから、当然副作用があります。
特に注意したいのは、以下の2つです。
- 下痢・食欲不振
- 乳酸アシドーシス
下痢・食欲不振
メトホルミンの副作用として、一番多いのが胃腸のトラブルです。
前述の通りメトホルミンにはGLP-1の作用によって胃腸のぜん動運動を抑える効果があるため、胃の中に食物が滞留しやすくなり、これが吐き気や不快感を起こす事があるのです。
そして食欲不振に繋がりますが、そもそも食欲を抑えてダイエットする為の薬でもあるので、主作用が強く出すぎているとも言えますね。
こうした症状がつらい場合は、一旦服用をやめましょう。
乳酸アシドーシス
頻度としては極めて稀ですが、危険な副作用が乳酸アシドーシスです。
メトホルミンは血中の糖質を燃焼させる作用が強いため、相対的に糖質以外の燃料は余る可能性が高くなります。
その糖質以外の燃料というのが、筋肉の代謝物質である乳酸で、乳酸は名前の通り酸性ですから、血中で乳酸が余りすぎると体液が酸性となり危険な状態になってしまうのです。
人間の体液は基本的に弱アルカリ性に保たれており、各種ホルモンや酵素もこの弱アルカリ性の中で働きます。
体液が酸性になるとホルモンや酵素の働きが劇的に低下し、場合によっては重篤な症状にもなるのです。
- 過去、乳酸アシドーシスになったことがある
- 肝機能・腎機能障害がある
- ヨード造影剤の使用前後である
- 過度のアルコール摂取をした
- 心不全や呼吸器の疾患がある
こういった方は、乳酸アシドーシスが起きやすいため、十分注意しましょう。 原則的にメトホルミンは使用しないほうが無難です。
幅広い効果が期待されるメトホルミン
コロナ後遺症への効果も期待されるメトホルミンについて、まとめて解説しました。
特に肥満・過体重・糖尿病の方にとっては、心強い薬になるかも知れません。
歴史の長い薬ですので、今わかっている副作用以外には安全性も高いと言えます。
なにかにつけて行政には期待できない時代ですから、自分の身は自分で守りましょう。
まずは日々の食生活と運動を心がけ、薬に頼るよりは万が一のお守りくらいに思っておくのが基本です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ブログランキング参加中。よかったらポチッとお願いします。
この記事へのコメントはありません。