「卵の白身は良質なタンパク質、黄身には脂肪が多いから食べないで捨てる」
筋トレにハマるトレーニーの界隈では、こんな事が常識としてまかり通っています。
私も毎日食べています。
もちろんダイエット中もです。
しかしその卵について、タンパク質を凝縮した白身だけを食べ、脂肪の多い黄身を捨てるという食べ方に、本当に価値はあるのでしょうか?
実は卵の黄身を食べないのって、物凄くもったいないことかもしれません。
今回は、卵の黄身に含まれる筋肉発達の可能性について紹介します。
タンパク質とは卵白のことって知ってた?
筋トレには欠かせない栄養素「タンパク質」ですが、そもそもタンパク質って「卵白」を表すものであった事を知っていましたか?
小学校の家庭科で習った、三大栄養素
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
蛋白質とは「卵白のようなもの」という意味だったんですね。
プラウトが発見したとおり、卵白は純粋なタンパク質のカタマリであり、筋肉の成長のために大量のタンパク質を欲しているトレーニーにとっては最高の食品となります。
しかし、白身と逆に黄身の方には、卵の脂肪分のほぼ全てが存在しており、その中にはコレステロールも含まれてます。
このため、アスリートの中では黄身を捨ててしまい、白身だけ食べるという人が少なくありません。
かのダルビッシュ有投手も、ツイッターでゆで卵の白身だけを詰めた昼食を公開していました。
ココナッツオイルで炒めた卵白4つをアーモンドバターつけて食べてます。
タンパク質と良い脂質が摂れますよ^_^ pic.twitter.com/6JlDHp72Zk— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) February 15, 2014
アーモンドの油脂はαリノレン酸などオメガ3系の良質な油です。
でも、良質な脂肪と言えば卵黄だって負けていないと思いますが。
これ、黄身はたぶん捨てちゃったんでしょうね。
もしくは奥さんが食べたのかも知れませんが。
卵の黄身には、まだまだ解明されていない成長因子が含まれている可能性が高いのです。
白身だけより黄身も含めた全卵を食べたほうが筋発達の効果が大きい
卵の白身がタンパク質の塊なら、脂肪を含む黄身は捨てて白身だけを食べるほうが良い気がします。
しかし、卵は黄身も含めた全卵を食べたほうが、筋発達の効果が大きいという可能性もあるのです。
2017年にアメリカで行われた、興味深い実験があります。
その概要はこちら(英語です)
↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28978542
タイトルをGoogle先生に直訳してもらうと「全卵の消費は、若い男性において等窒素量の卵白の消費よりも運動後の筋肉タンパク質合成のより大きな刺激を促進する。」
もちろん、摂取するタンパク質量は同じに調整します。
- 第一グループ:「卵白のみ:タンパク質18g」
- 第二グループ:「全卵:タンパク質18g、脂肪17g」
この結果、
- 食事後に血中アミノ酸濃度が高まるのは「卵白のみ」の方が早かった
- 300分後の筋肉合成は「全卵」の方がはるかに大きかった
- なぜそうなったのかは現在のところ不明
という結果が得られています。
摂取したタンパク質量は同じで、しかもタンパク質が吸収されて血液中に出現するスピードは「卵白のみ」の方が早かったにもかかわらず、結果的な筋肉合成は「全卵」の方がはるかに大きかったというのです。
その理由として、単純に「摂取カロリーの差」ではないか?という意見もあります。
タンパク質の量は同じでも、全卵の場合は脂肪17gがプラスされていますから、卵白のみは73kcal、全卵は226kcalであったとされています。
これだけのカロリーの差が、結果的に筋肉合成にも影響したのではと思いますが、この研究では「アミノ酸が糖新生された量に差が無かった」事を理由に、この仮説を否定しています。
結局のところ、全卵と卵白のみでアナボリックに差がついた原因は、今のところ不明と結論付けられているのです。
黄身など天然食品の生体への作用はまだまだ解明されていない
サプリメントで食事の完全な代替はまだまだ出来ません。
天然の植物、動物性食品に含まれる様々な栄養素の相互作用は、まだまだ解明されていない事が多いのです。
特に、卵黄というのは生命の源。
人間の受精卵が生まれてくるまでには10ヶ月もかかりますが、卵は産み落とされてからわずか21日でヒヨコになるのです。
この驚異的な成長の秘密は現在次第に解明されてきており、卵黄から抽出した成長因子ペプチドは、子どもの成長応援や育毛用のサプリとして商品化されています。
その前に、全卵のタンパク質は7gとされていますが、その内訳は「黄身4g」「白身3g」
つまり、黄身の方がタンパク質が多いし、加えてビタミンB群やミネラルも黄身のほうが多く含まれています。
それを食べずに捨ててしまうなんて、もったいない事だと思いませんか?
卵黄のコレステロールは心配する必要なし
卵の黄身を食べない人の言い分として、もうひとつ「脂肪(コレステロール)が多い」というものがあります。
先程から言っているように、卵の栄養素は脂質も含めて極めて良質です。
ダイエット中こそ、こういう優れた食品を食べるべきなのです。
昔は「卵はコレステロールが増えるから1日1個まで」と言われていましたが、これは現在では否定されています。
そもそも「卵を沢山食べたらコレステロールが増えて動脈硬化になった」という実験は、草食動物のウサギを使って行ったものだったのです。
草食動物に動物性食品を大量に食べさせたら、そりゃあ不調をきたすでしょう。
人間には当てはまらないので心配しなくて大丈夫です。
食事摂取基準からもコレステロール摂取上限量は撤廃
2015年2月、アメリカの保健省と農務省が作成する「米国人の食生活に関するガイドライン」と、同年3月に日本の厚生労働省が作成する「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の両方で、ほぼ同時期に「コレステロールの摂取上限量」が撤廃されました。
その理由は「コレステロールは食事で摂取される量よりも体内で合成される量の方がはるかに多いので、摂取量を減らせば健康に寄与するという科学的根拠が無い」というもの。
悪玉コレステロールが体内で増えたら身体に悪いのは事実ですが、それは食事だけで改善できるものではなく、適度な運動など総合的な対策が必要になるようです。
・良質な栄養源である全卵を食べる
結局は、これが一番健康にもボディメイクにも良いということです。
なお、卵のタンパク質は加熱すると変性して吸収しやすくなるため、生卵よりもしっかり火を通して食べる事をオススメします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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