イーグルエナジーをはじめとしたカフェイン吸引は、思わぬ害があるかも知れません。
「吸うエナジードリンク」と言われるカフェイン吸引は、効果についてはいくつかエビデンスがあるものの、リスクの方は研究が進んでいないのが現状。今までわかっている事からカフェイン吸引の害を考え、もっと安全なエナジー補給法についても紹介します!

・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
カフェイン吸引器が流行っているらしい
ついに‥手に入れてしまった。
禁断のイーグルエナジー。『吸うエナジードリンク!!!』
電子タバコみたいにカフェインを吸うんです!!!!!
やべぇーだろこれ!!!!!!!!!#EAGLEENERGY #吸うエナジードリンク #カフェイン pic.twitter.com/yN6eQUVvkL— 立花慎之介 (@REAL_1978_TS) February 18, 2019
2019年辺りから、トレーニー界隈で「イーグルエナジー」というカフェイン吸引器が非常に話題になっていました。電子タバコのような形状で揮発させたカフェインを吸引し、その覚醒作用のメリットに与ろうというもの。
なるほど原理はよくわかりますが、個人的な感想は「ちょっと危ないんじゃないのー?」というもの。
イーグルエナジーとかマッスルエナジーみたなカフェイン吸引って、メリットばかり言われて流行ってるけど、依存性やばいと思うなー
もちろん大半の人は何の問題もなく楽しめるだろうけど、個人的にはちょっと心配。
コーヒーのほうが圧倒的にメリット多いです。今日も一服 pic.twitter.com/j5VFudmlfx— 村上哲也@健康管理士・ダイエットインストラクター (@diet_safari) February 19, 2021
とはいえそれではただの感想なので、エビデンスについてもしっかり調べようと思っていました。で今回この記事を書いているわけですが、
最初に言っておくと「カフェイン吸引の害(リスク)についてのエビデンスはほとんどありません。」
これはカフェイン吸引が安全であるという意味ではなく、カフェイン吸引器のリスクについての研究が全然されていない事を意味しています。これから重大な副作用の報告などが増えてくれば、しっかり研究してくれるところも出てくるでしょう。
この記事では、現在までにわかっている事から、「イーグルエナジー」や「マッスルエナジー」のようなカフェイン吸引のメリットとデメリットを考えたいと思います!
カフェイン吸引のメリット
まずはカフェイン吸引のメリットについて。
カフェインといえばコーヒーやエナジードリンクから摂取する人がほとんどだと思いますが、それに比べてカフェイン吸引にはどんなメリットが有るのか?主なものは次の3つです。
- 即効性がある
- 利尿作用が少ない
- エナジードリンクよりコスパが良い
即効性がある
まず確実に言えるのは、コーヒーやエナジードリンクによってカフェインを経口摂取するより、カフェイン吸引によって摂取した方が即効性があるということ。これはすでに論文でも発表されています。
前の研究では、参加者はカフェインの経口投与の20?30分後に作業記憶タスクを実行しましたが、この研究では、参加者はカフェイン蒸気の経肺吸引の直後にタスクを実行しました。私たちの調査結果は、カフェインの経肺投与が、作業記憶に関連する右前頭前野、中枢、および側頭野に即時の影響を与えることを示しています。
引用:健康な男性の脳活動に対するカフェインの経肺投与の効果
2019年に発表された上記論文によると、エナジードリンクなどでカフェインを摂取すると脳に達するまでに20~30分かかりますが、吸引の場合は即座に達して効果を発揮し始めることがわかっています。
このため、とにかく眠くてたまらない時や、運動の前にカフェインを飲む時間を摂れない時などはイーグルエナジーの即効性が役に立つと思います。
利尿作用が少ない
カフェインには利尿作用があることも有名ですね。
カフェインは腎臓でのカリウム再吸収を抑制するため、ナトリウム排出を促して尿を増やす作用があります。これはカフェイン吸引でも同じことですが、コーヒーやエナジードリンクに比べて液体を飲まない分、利尿作用は緩和されるのです。
「トイレ行きたくなっちゃうからエナドリは飲みたくない」と控えていた方にとっては、これもメリットになりそう。
エナジードリンクよりコスパが良い
同じ量のカフェインを摂取するのなら、エナジードリンクよりイーグルエナジーの方がコスパは良いようです。
イーグルエナジーは1本で約400回吸入可能とされており、10回吸ってエナジードリンク1杯分のカフェインが摂取できるのであれば、単純計算でもエナドリ40本分のカフェインを摂取できることになります。
イーグルエナジーは1本1500円と比較的安価なので、お金を掛けずに効率的にカフェインを摂取する手段としては優秀ですね。
日本でもマッスルエナジーなど新商品多数
カフェイン吸引はイーグルエナジーが先駆者として一気に人気になりましたが、最近は続々と新商品も出てきています。
vapelogから発売された「マッスルエナジー」は全長10cm未満のカバンやポケットにスッと入るコンパクトサイズが人気で、本で筋トレ30~50回分使用することができます。
イーグルエナジーよりもコンパクトでコスパ良好なので、新しく買うならこっちのほうが良いのかも
カフェイン吸引の害は不明確?想定されるリスク
さて本題の、カフェイン吸引のリスクについてです。
すでに述べたように、カフェイン吸引の害を本格的に検証した研究はほとんど無く、推測の域を出ません。しかし一応医薬品や健康の専門家として、想定されるカフェイン吸引のリスク・デメリットは以下の3つ
- 吸引では”効きすぎる”
- 依存性を形成しやすいのでは
- コーヒー由来のポリフェノールが摂れない
吸引では”効きすぎる”
カフェイン吸引は、ドリンクよりも圧倒的に早く脳に達するため、「効きすぎる」というリスクが想定されます。
イーグルエナジーでは10回吸うとエナジードリンク1杯と同程度のカフェインという事なので、ほとんどの人は「じゃあ10回吸うか」となるでしょう。しかしドリンクとして飲むより吸引するほうが速やかに吸収されて脳に達するため、ドリンクと同程度のカフェイン量では効果が強すぎる可能性があります。
よってカフェイン吸引する場合は、吸う量は半分の5回程度のほうが良いのではないかと思いますね。特にカフェインへの感受性が高い人は。
依存性を形成しやすいのでは
カフェインには、ニコチンやコカインと同じように依存性があります。
これはエナジードリンクやコーヒーでも同じなのですが、やっぱり心配なのは吸引だと脳に達するのが早いという点。余談ですが禁煙治療で使われるニコチンガムは、ニコチンが吸収されてから脳に達するまでの時間がタバコより20~30倍も長いのです。
脳に達するまでの時間が長いから、効き目が少なく依存性を形成しにくい。これでタバコのニコチン依存から少しづつ脱していくんですね。逆に言えば、脳に達するまでの時間が早いほど依存性を形成しやすいという事です。
なおイーグルエナジーの公式HPでは、吸引されたカフェインは1時間ほどで代謝され排出されると書いてありました。
カフェインを飲んで摂取するとき、カフェインは5時間以上体内に残り、イライラ感をもたらしたり、睡眠に影響を与えます。また、エナジードリンクでの摂取の場合には、シュガークラッシュも起こりえます。しかしながら、カフェインを吸引で摂取する場合は、代謝が非常に早く、1時間程度で代謝されるため、摂取量が調整できます。
引用:イーグルエナジー
とはいえエビデンスが示されていないし、原理的にも「ホントかなぁ…?」と思っていまいます。この辺はまだ難しいですね。
コーヒー由来のポリフェノールが摂れない
コーヒー党として、これが一番のデメリット。わざわざ吸引で「カフェインだけ」を摂る意味がわからない。
コーヒーには脂肪肝を改善したり、インスリン感受性を高めたり、気分をリラックスさせたり、活性酸素を除去して老化を防いだり様々な健康効果があります。事実、毎日コーヒーを2~3杯飲む人は肥満が少なく、平均寿命も長いのです。
米国立がん研究所から延べ40万人の男女を13年間(最長14年)追跡した調査結果が発表された。テーマは「コーヒーと死亡率」。
報告によると、1日4~5杯のコーヒーを飲む男性は総死亡リスクが12%、女性は16%低下した。はっきり言って「コーヒー党」の生活習慣は喫煙率、食事の内容、運動習慣とも、お世辞にも良好とはいえなかったにもかかわらず、である。
引用:ダイアモンドオンライン
コーヒーはカフェイン以外にも、クロロゲン酸などの良質なポリフェノールを多く含んでおり、これがカフェインのデメリットを相殺します。コーヒーだから良いのであって、カフェイン自体は一長一短でそんなに素晴らしいものではありません。

同じ吸引ならカフェインより水素の方が安全でリフレッシュする
電子タバコが一般的になってきた今、同じような技術を使って有用な栄養素を吸引する機械はカフェインだけではありません。コーヒーよりも遥かに抗酸化力の高い「水素」を吸引できるポータブルデバイスもあるんですな。
◯【ポータブル水素吸引器具KENCOS】
水素といえば「水素水」のイメージが悪すぎますが、水素水は工場出荷から消費者に届くまでに水素が抜けてしまうから悪いのであって、水素の効能自体にははっきりとエビデンスもあります。
唯一のデメリットは価格が高いことくらいですが、わざわざリスクのあるカフェインやニコチンを吸うくらいなら、将来の健康のために水素に切り替えるのも悪くないと思います。水素吸引については長くなるので、関連記事で。
カフェインより安全なエナジーサプリもある
それでもやっぱりカフェインがほしい!という方には、カフェインと同等の効果を持ちながら依存性などのリスクがほとんど無い、「ザイナマイト」というサプリメントがあります。
◯カフェインフリーのエナジーサプリメント【ザイナミックス16800】
ザイナマイトはインド原産のハーブであるマンギフィリンを使ったエナジーサプリで、海外のスポーツ業界でも低リスクでカフェインと同等という事で注目されています。こちらもぜひ関連記事でご覧ください。
カフェイン吸引の害は不明だが安心してスパスパもどうかと思う
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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