バックプレスとは、バーベルを首の後ろに下ろすショルダープレスのこと。ビハインドネック・ショルダープレスとも呼ばれます。
ジムでも時折やっている人を見かけますが、バックプレスにはどんな効果があるのでしょうか?見るからに危なそうなトレーニングですが、本当にやる必要はあるのか?個人的には、バックプレスは肩を痛めるリスクばかりが大きくいので、正直「やる必要はない」と思います。
ただ、バックプレスには他のショルダープレスにはない効果もあり。今回は、バックプレスの効果とリスクについてご紹介します!
種目名 | バックプレス |
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分類 | コンパウンド |
主働筋 | 三角筋中部 |
必要な道具 | バーベル |
バックプレスの効果 三角筋中部に効きやすい
肩のトレーニングといえば、バーベルを首の前におろして行うショルダープレスが一般的ですよね。首の前にバーベルを下ろすには、上半身をやや反らせる必要があるため、三角筋の中でも前部が強く動員されます。三角筋前部はベンチプレスなどでもよく使われるため、三角筋の三つのブロックの中でも最も大きな部位です。
このため、前部は少しお休みして中部を強く鍛えたい場合、バックプレスが有効と言われています。
バックプレスは首の後ろにバーベルを下ろすため、首を少し前に出して上半身を垂直に保ちます。このため、三角筋前部の関与が減って中部が強く動員されるのです。
バックプレスがリアに入る?
バックプレスはあくまでも「三角筋中部」の筋トレと言えるでしょう
バックプレスのリスク デメリットとは
三角筋中部を強く鍛えられるというメリットの一方、バックプレスにはデメリットも多くあります。順番に見ていきましょう。
- 肩関節に強い負荷をかける
- 稼動域が狭くなる
- 潰れた時の危険性
肩関節に強い負荷をかける
バックプレスの最大のリスクは、肩関節への負荷が非常に高いということ
2001年にアメリカの『Strength and conditioning journal』に掲載された論文によると、首の後ろでウェイトを上げ下げする動作では、肩関節の外旋と肩甲骨の外転が同時に起こり、回旋腱板に非常に強いストレスをかけます。これは肩関節の怪我のリスクがとても高い運動で、肩を痛める原因になるのです。
参照(英語):https://www.researchgate.net/publication/232204583_Avoiding_Shoulder_Injury_From_Resistance_Training

肩関節の図解とローテーターカフ
回旋腱板(回旋筋腱板とも言う)は、いわゆる「ローテーターカフ」のこと。ローテーターカフは、肩関節を色々な方向に動かすための筋肉で、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の腱の4つの筋肉の総称です。
非常に細かい筋肉が複雑に重なり合い、さらに骨の隙間を通って繋がっているため、筋肉や腱が骨に挟まって痛みを生じることがあります。バックプレスは、このローテーターカフに無理な負荷を掛け、肩の故障を誘発しやすい動作なのです。

稼動域が狭くなる
人間の身体の構造上、バックプレスの動作では肩関節の稼動域が大きく制限されます。
バックプレスのボトムポジションは、せいぜいうなじのあたりまでが限界でしょう。それ以上深く下ろそうとすると、肩関節よりも肩甲骨の内転の動きが大きくなるため、三角筋ではなく僧帽筋の働きが大きくなってきてしまいます。

潰れた時の危険性
バックプレスは怪我だけでなく「事故」の危険性も高いトレーニングだと言えます。
パワーラックの中でセーフティバーをしっかりセットすれば問題ないのかも知れませんが、潰れて上げられなくなった時の対処が難しいのです。

フロントプレスなら、そのまま前にバーベルを投げ捨てれば良いですが、バックプレスでは手を離して落とすのも危険な気がします。万が一腕を持っていかれたら、肩に致命的なダメージを負うでしょう。
三角筋中部ならバックプレスよりも良いトレーニングがある
この記事では、バックプレスの危険性について紹介してきましたが、実際にバックプレスをやっていて何の問題も起こしていない人もたくさんいるもの事実です。そういった方々は、今後もバックプレスをやるでしょうし、それがいけないことだとは思いません。

三角筋中部を鍛えたいのであれば、バックプレスよりもダンベルショルダープレス、、サイドレイズなど優れた種目が沢山あります。
まずはこれらの基本的な種目をマスターし、肩を労りながらのトレーニングをオススメします!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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