おしりの筋肉は、人体で最も大きい筋肉のひとつです。
他に大きい筋肉と言えば、太もも前側の大腿四頭筋と、太もも裏側のハムストリングス。
つまり、人体の大きい筋肉とは、股関節の周りに集中しているのです。
このため、股関節まわりの筋肉を鍛えることには非常に大きな意義があります。
あらゆるスポーツ、高齢になった時の健康、そしてダイエット。
股関節周りの筋肉を鍛える意義は、いくら強調しても強調しすぎることはありません。
ただ、太もも前側の大腿四頭筋に関してはスクワットなどで鍛えることが出来ますが、その後側のハムストリングス、大殿筋に関しては鍛えるトレーニングがいまいち普及していません。
もちろんスクワットでもある程度は大殿筋とハムストリングスを鍛えることが出来ますが、自宅で行う自重トレーニングの範囲では限界があります。
今回は、自宅で行える自重トレーニングの中でも、おしりの大殿筋と太もも裏側のハムストリングスを効果的に鍛えることが出来る「ヒップリフト」のやり方を紹介します。
【目次】
基本的なヒップリフトのやり方
ヒップリフトは、場合によっては「ヒップブリッジ」とか「グルートブリッジ」など名称でも呼ばれますが、厳密な定義は無いので同じと思ってもらって構いません。
平らな床で行う方法もありますが、どこの家にもある椅子を用意できれば効果は倍増します。
もちろんソファやベッドでも構いません。
まずはこちらの動画をご覧ください。
音声はありませんので周囲を気にせず再生できます。
仰向けに寝たら、脚を持ち上げて椅子の上にカカトをのせます。
この状態から、お尻を上に突き出すように持ち上げ、身体が太ももと胴体が一直線になるまで持ち上げます。
そして、このトップポジションで大殿筋が思い切り収縮しているのを確認しましょう。
そして、ゆっくりと下ろしていきますが、おしりは床にはつけません。
1セット10回と決めたら、10回終わるまでおしりは床につけません。
つけた瞬間負荷が抜けてしまうと思ってください。
体重が重い人の場合、真面目にやるとかなりの負荷になります。
また、ハムストリングスが固い人は痛める可能性もあるので、事前にしっかりストレッチをしてから行って下さい。
ハムストリングスを鍛えるヒップリフト
動画では2番めで紹介していますが、大殿筋よりも太もも裏側のハムストリングに効かせたい場合、椅子を身体から少し離して膝の角度を大きく開くようにします。
動画でも分かる通り、膝を完全にまっすぐにするのではなく「ちょっと曲げる程度」に伸ばせる角度に椅子から離れて行うことで、大殿筋よりもハムストリングスの動員が大きくなります。
私の知る限り、自宅筋トレでハムストリングスを鍛えるのには最も手軽で効果的なトレーニングだと思います。
内転筋を鍛えるヒップリフト
動画では3番目で紹介しています。
太ももの内側にあたる内転筋を鍛えたい場合、脚を一度開いて足の裏同士を合わせた合掌のような姿勢になります。
この状態でヒップリフトを行うと、持ち上げる際に自然に内股に力が入り内転筋が動員されます。
自宅で内転筋を鍛える方法というと、ワイドスクワットや脚パカなどがありますが、内転筋を効果的に狙い撃ちし、なおかつ十分な刺激が与えられるのは、このタイプのヒップリフトだと思います。
中殿筋を鍛えるヒップリフト
動画では4番目に紹介しています。
中殿筋とは、おしりの上半分外側にある筋肉です。
中殿筋の大部分は大殿筋の下に隠れていますが、おしりの「上部外側」には中殿筋が見えています。
この中殿筋は、二足歩行する際にバランスを取るのに不可欠な筋肉。
中殿筋が肥大すると、ウェストのくびれからヒップの盛り上がりのラインがキレイに出来るため、美尻を目指すならぜひ鍛えたいところ、
アスリートの場合は、全身の安定のためにも重要な筋肉です。
椅子を二脚用意して足を大きく開き、大股開きの状態でヒップリフトを行います。
このとき、お尻の外側に負荷がかかっているのをしっかり意識して行ってください。
一日何回やればいいのか?
筋トレを紹介すると「1セット何回?1日何回やればいいですか?」という質問が必ずきます。
これについては、個人差、目的による差が非常に大きいので一概には言えません。
女性のスタイルアップの目的であれば、ここで紹介した4バリエーションを10回ずつこなすだけでもかなりの効果が得られるはずです。
筋肉痛があまりにもひどい場合は安いんだほうが良いですが、「まだちょっと痛みが残ってる」くらいだったら、逆に毎日続けたほうが疲れが取れやすくなります。
出来るなら毎日やる
一日おきにやる
三日やって一日やすむ
などメニューの組み方は色々あります。
まずは自分で10回×4バリエーションを一日でやってみて、体力と相談しながら自分にあったメニューを決めていくのが良いでしょう。
筋トレの効果がでるのは3ヶ月目から
まずは3ヶ月続けましょう!
ヒップリフトで美尻を目指そう!
ヒップアップ、美尻づくりというと、やたらとスクワットばかりが推される傾向にあります。
確かにスクワットは素晴らしいトレーニングですが、お尻にフォーカスした場合ベストな方法ではありません。
自重スクワットでお尻に効かせるのはかなり難しいし、ハムストリングスに関しては意識すら出来ない人が大半でしょう。
ヒップリフトは、どこの家にもある椅子だけを使い、初心者でも大殿筋やハムストリングスを意識しやすいトレーニングです。
ヒップアップを目指すなら、まず第一にヒップリフトに取り組んでください!
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