イヌリンの筋トレ効果について、健康管理士が解説します。
イヌリンはタンパク質ではない為、プロテインの様に筋肉の材料になる効果は無いはず。では何故イヌリンがトレーニングサプリとして有効なのかを、分かりやすく解説します!
・認定ダイエットインストラクター
・医薬品登録販売者
・健康管理士一般指導員
健康一筋発信10年。ダイエットや筋トレに役立つサプリメントの他、健康情報も収集し続けてアップデート中。自分と家族と日本国民の健康と幸福(ウェルネス)を追求するのが仕事であり趣味です。
イヌリンとは?筋トレにも役立つのか
Googleの関連検索ワードで、イヌリンに関連して「筋トレ」や「プロテイン」について関心を持っている方が多いことが分かりました。
個人的には意外な組み合わせですが、その効果を調査するに当たり、まずは「イヌリンとは何か?」について、基礎知識を押さえておきましょう!
イヌリン=水溶性食物繊維に似た多糖類
イヌリンとは、ゴボウや菊芋などに多く含まれる「多糖類」です。
多糖類という事はデンプンなどと分類は同じ。しかし人間はイヌリンを消化する酵素を持っていないので、イヌリンは食べても分解されず、水を含んでゲル状になったままお尻から排出されてしまいます。
ゲル状になって腸の中を進んでいく際、腸壁にこびりついた老廃物や毒素を絡め取り、排出して腸内を掃除する働きがあります。
この作用は水溶性食物繊維とよく似ているため、イヌリンは水溶性食物繊維の一種として扱われているんですね。
イヌリンと難消化性デキストリンの違い
イヌリンとよく似た成分として、「難消化性デキストリン」があります。
イヌリンが天然の多糖類なのに対して、難消化性デキストリンはトウモロコシのデンプンから人工的に作られた食物繊維です。
イヌリンと難消化性デキストリンの役割はとても似ていますが、最大の違いは「イヌリンは善玉菌のエサになる」という事。
イヌリンはその構造内に「フラクトオリゴ糖」を含んでおり、これが大腸に住む善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やす作用があるのです。
ソース:イヌリンで腸内環境改善
健常男性12名 (平均23.3歳) を対象とした臨床試験において、イヌリン含有シリアル (9 gイヌリン含有) を4週間摂取させたところ、血清総コレステロールおよび中性脂肪が減少し、腸内細菌環境が改善したことがわかりました。
参照:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10509770/
イヌリンが筋トレに役立つ理由
イヌリンは腸内環境を改善する水溶性食物繊維ですが、それが筋トレにどう役立つのか?
イヌリンの摂取で筋肉づくりが捗る理由については、以下の2つが考えられます。
プロテインで悪化した腸内環境を改善
筋トレにプロテインは不可欠です。しかし、そのプロテインが腸内環境を悪化させる事もあります。
プロテインを毎日飲んでいたら、おならが強烈に臭くなったり、便秘や下痢になりやすくなった方も多いでしょう。事実、腸内の悪玉菌はタンパク質によって増殖するため、プロテインの飲み過ぎは腸内環境の悪化に繋がります。
腸内環境が悪化すると、栄養を上手く吸収できなかったり、不要な老廃物を排出できなくなったりで筋肉の成長にも悪影響があります。
プロテインとイヌリンを一緒に摂ることで、腸内環境の悪化を防ぎ、健康な筋肉づくりに役立つでしょう。
ソース 悪玉菌の増加はタンパク質も原因
消化の悪い肉類は腸で腐敗便となり、悪玉菌の餌となります。悪玉菌は肉類のタンパク質やアミノ酸を餌に生育し、有毒物質を放出します。その結果、下痢や便秘といった症状を引き起こします。また、食物繊維が少ない食事も悪玉菌を増殖させます。食物繊維は腸内の腐敗物を吸収し、善玉菌の働きを高めます。
引用:フジッコ『悪玉菌はなぜ増える』
ミネラルの吸収を促進する
食物繊維は胃腸の中で一緒に食べた食品の糖質や脂質を絡め取り、吸収を緩やかにする性質があります。
このため、必要は栄養までも吸収が遅れてしまうのでは?と懸念がありましたが、イヌリンのような水溶性食物繊維の場合は、むしろミネラルの吸収を促進する事がわかっています。
鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、ホルモンバランスを整えたり筋肉の合成を促進する上で不可欠です。
イヌリンによってミネラル吸収を促進する事でも、筋肉づくりにプラスの作用があるでしょう。
ソース 水溶性食物繊維がミネラル吸収を促進
イヌリンやグアガムや難消化性デキストリンなどの水溶性食物繊維は、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収を促進することが動物実験(ラット)で確認されています。
これは、水溶性食物繊維の摂取で短鎖脂肪酸が産生され、大腸内のphが低下したことでミネラルの溶解度が高まり、吸収率が上がるためと推測されています。
参照:大塚製薬『食物繊維を摂ろう!』
イヌリンはプロテインの吸収を阻害しないのか?
水溶性食物繊維のミネラル吸収促進と絡めて、筋トレマンにとって最大の関心は「イヌリンのような水溶性食物繊維はタンパク質の吸収を阻害しないのか?」でしょう。
これについては私も以前から気になっていたので、この機会にエビデンスを色々と調べてみました。
結論:イヌリンがタンパク質吸収に影響を与える可能性は低い
結論としては、イヌリンがタンパク質の吸収を遅らせる可能性は低いようです。
水溶性食物繊維が糖質や脂肪の吸収を遅らせる事は様々なデータが示していますが、グアガムのような粘度の高い水溶性食物繊維では、タンパク質の吸収も阻害する事が確認されています。
一方、イヌリンは水溶性食物繊維の中でも粘度が低く、ドロドロにならない事から、タンパク質の吸収に影響を与える可能性は低いでしょう。
そもそも食物繊維によってタンパク質の吸収が阻害されたという実験も、普通の食事では考えられない様な大量摂取をしています。
既にタンパク質過剰や食物繊維不足によって腸内環境が悪化している人は、イヌリンのプロテイン阻害を心配するより、腸内環境改善を優先したほうが良いでしょう!
ソース 水溶性食物繊維は血清タンパク質に影響しない
特に血清たんぱく質、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)などのミネラル濃度について、難消化性デキストリン摂取が原因となる変化はまったく認められなかったと報告されています。
引用:大塚製薬プラスワン
イヌリンとプロテインで健康的筋トレが捗る!
- イヌリンは腸内を掃除する食物繊維
- 腸内環境が良くなれば筋トレも捗る!
- イヌリンでプロテイン吸収が阻害される可能性は低い
イヌリンの筋トレ・プロテインに対する効果についてまとめてきました。
イヌリンのサプリも売っていますが、ほとんどの実験では「1日9~20g」のイヌリンを摂取しているため、サプリでは摂取量が足りません。
プロテインに混ぜることを考えても、「イヌリンパウダー」として買うのがオススメで、これならコストパフォーマンスもかなり高いですね。
イヌリンパウダーはほんのり甘みがあり、水にも溶けやすいので何味のプロテインにも合うはずです。
プロテインでお腹の調子の悪化を感じている方などには、一度試す価値がありますね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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