加圧トレーニングとはなにか?
動画でも解説しています!
加圧トレーニングは、手足の血流を適切に制限しながら運動を行うことで、通常のトレーニングよりも遥かに高い効果を得られる画期的なトレーニング方法です。
日本人の佐藤義昭氏が考案したトレーニング方法として世界的に広まり、現在では「KAATSU」は世界のトップアスリートの間で常識となっています。
東京オリンピックで米国代表として金メダルを獲得した水泳のマイケル・アンドリュー選手も、加圧トレーニングを積極的に取り入れていることが報道されていました。
佐藤氏が筋トレに明け暮れていた高校生の時に、法事で長時間正座して足が痺れる感覚が、筋トレで追い込んでパンプアップした時の感覚と同じことに気づいて加圧トレーニングの着想は生まれました。
佐藤氏自身の身体を使った人体実験を繰り返し、時には病院に担ぎ込まれるほどの無茶をしながら、現在では安全で効率的に行える加圧トレーニング方法が確立しています。
専用デバイス「KAATSU CYCLE C4」
加圧トレーニングにおいて最も重要なことは、手足の血流を”適切に”制限することです。
佐藤氏自身も何度も経験したそうですが、加圧しすぎると完全に血流が止まってしまう「止血」の状態となり、極めて危険です。
そもそも止血は医療行為であるため、トレーナーがお客様に施術することは医師法にも抵触してしまいますね。
安全に、効率的に、適切に血流制限をするための専用デバイスとして開発されたのが「KAATSU CYCLE」です。
スマートフォンほどの大きさのデバイスと、手足に巻きつける圧迫バンド、そして2つをつなぐチューブから成り立っており、デバイスからチューブを通して圧迫バンドに空気が送られ、空気圧で手足の付け根を圧迫して血流を制限します。
この加圧サイクルは、30秒間の加圧と5秒間の除圧を自動的に繰り返し、最低限の血流は確保しながら、手足に大量の血液が滞留(プーリング)するよう設計されているのです。
カギは乳酸濃度と成長ホルモン
加圧サイクルによって、手足に血液が滞留(プーリング)すると、身体には何が起こるでしょうか?
運動によって筋肉を動かす時、筋肉内ではエネルギー源としてブドウ糖が燃焼し、その代謝物質として乳酸が発生します。
発生した乳酸は血流によって洗い流され、最終的には肝臓で分解されるのですが、運動量が多くなって乳酸発生量が多くなると、処理が追いつかずに筋肉内に乳酸が溜まっていきます。
そして激しい運動をしていると認識した脳は、その運動に適応するために身体を成長させようと、大量の成長ホルモンを分泌します。
また、運動に必要なエネルギーを確保するため、体脂肪の分解をすすめ、全身の代謝が高まっていくという訳です。
加圧サイクルで手足の血流を制限すれば、運動で発生した乳酸を洗い流す能力が極端に低下し、筋肉内の乳酸濃度が劇的に増加します。
これによって脳に「とてつもなく激しい運動をしている」と誤解させ、大量の成長ホルモン分泌を促すのが加圧トレーニングの基本理論です。
超軽負荷で高い効果
加圧トレーニングによる成長ホルモン分泌量は、平常時の最大300倍にも達します。
加圧しない通常の運動で300倍もの成長ホルモンを分泌させようと思ったら、トップアスリートが疲労困憊するくらいの猛烈な運動をしなければいけません。
しかし加圧トレーニングでは、それが一般人でも可能なレベルの超軽負荷の運動で実現できるのです。
経験からいいますと、普段から運動不足を実感しているような方であれば、何も道具を使わない自重トレーニングや、ゴムチューブを使った簡単なトレーニングで十分です。
「こんなので本当に効果があるの?」と思ってしまうほどの軽い負荷で、アスリート並の高負荷トレーニングと同様の効果が得られるのです。
高負荷トレーニングは、運動初心者の方にはハードルが高く、関節を痛めるリスクを伴います。
超軽負荷であるため怪我のリスクが限りなく低く、それでいて高い効果を得られる加圧トレーニングは、トップアスリートよりもむしろ運動初心者に向いていると言えるでしょう。
加圧トレーニングの効果
加圧トレーニングは、登場以来世界中で研究がすすんでおり、さまざまな研究成果が発表されています。
その中から、特に重要となるポイントを紹介しましょう。
ざっと挙げても、加圧トレーニングには以下のような効果が報告されています。
- 筋肉の成長
- 体脂肪の分解
- ゴースト血管の再生
- 肌の新陳代謝
- 骨の強度アップ
- 疲労回復
それぞれの内容を解説します。
筋肉の成長
世界中のアスリートが加圧トレーニングを導入する最大の理由は、筋肉を成長させる効果が高いからです。
ひとつのトレーニングで持ち上げられる最大の重さを、トレーニング用語で「1RM(ワンレップマックス)」といいます。
一般的に筋肥大を狙ったトレーニングは、1RMの80%以上の高負荷で行う必要があり、軽い負荷での運動を繰り返しても、持久力が上がるだけで筋肥大はしません。
しかし、加圧トレーニングでは1RMの20%の超軽負荷であっても、高負荷トレーニングと同様の筋肥大が起こることが確認されています。
しかもこれは、筋繊維への直接的な負荷だけでなく、加圧によって大量分泌される各種ホルモンの作用によるものです。
ホルモンは血流に乗って全身を周るため、加圧トレーニングの効果はバンドを巻いた部位だけでなく、全身に転移していきます。
【参照】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10846023/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18202577/
体脂肪の分解
加圧トレーニングによって分泌される成長ホルモンには、体脂肪を分解して血中に放出させる作用があります。
加圧トレーニングでは脳が激しい運動をしていると誤解するため、その運動に必要なエネルギーを確保しようとするのです。
一般的に、運動を開始してから体脂肪の分解が始まるのは20分後からと言われていますが、加圧トレーニングではこれが10分後に短縮されると報告されています。
加圧トレーニングによる高い体脂肪分解効果によって、運動によるダイエットも通常より捗るでしょう。
ゴースト血管の再生
人間の身体には隅から隅まで毛細血管が張り巡らされていますが、実はすべての毛細血管にしっかり血が流れているとは限りません。
長く運動不足が続いていると、手足の先などの末端部の血流が悪くなり、完全に枯れてしまった「ゴースト血管」が少なくないのです。
ゴースト血管が増えれば末端部の血液が不足し、新鮮な酸素や栄養が届かなくなって、身体はどんどん老化してしまうでしょう。
加圧トレーニングでは、手足の血流を制限することで、手足に大量の血液が滞留(プーリング)します。
滞留した血液は行き場を求めて、太い血管から細い毛細血管の方に押し流されていくことで、ゴースト血管に血が流れるようになるのです。
こうしてゴースト血管が再生し、末端部の細胞にまで新鮮な酸素と栄養が供給されるようになります。
毛細血管の血流が良くなると、相対的に太い動脈を流れる血液量が減少し、動脈の負担を軽減することもできます。
肌の新陳代謝
身体の末端部の細胞といえば、肌です。
お肌は身体の一番外側を覆う大切な組織であり、お肌の健康を保つには毛細血管の血流が絶対に欠かせません。
加圧トレーニングによって身体の内側から外側へ血液が押し出され、半強制的に毛細血管の血流が増加するため、肌の新陳代謝も促進されます。
言うまでもなく、加圧トレーニングによって分泌される成長ホルモンも、肌の細胞を成長させて生まれ変わりを促す働きがあります。
成長ホルモンは血流に乗って全身を周るため、加圧トレーニングで手足を鍛えることで、お顔の肌を綺麗にする作用も付いてくるのです。
骨の強度アップ
加圧トレーニングが鍛えてくれるのは、筋肉だけではありません。
実は骨の強度も高めてくれる効果が確認されており、これは特に骨粗しょう症のリスクを抱える中高年にとって重要です。
骨は固くて安定したイメージがありますが、実際には常に分解と合成を繰り返しており、全身の骨は約3年サイクルで全く新しい細胞に入れ替わります。
古い骨を分解する細胞を破骨細胞といい、新しい骨を合成する細胞を骨芽細胞といいますが、年齢を重ねるとこの両者のバランスが崩れ、破骨細胞の方が優位になってしまいます。
これによって骨がもろくなる骨粗しょう症が進行するのですが、加圧トレーニングによって分泌される成長ホルモンは骨芽細胞を活性化する働きもあるのです。
骨粗しょう症の予防には運動が重要と以前から言われていますが、せっかく運動するなら加圧トレーニングで効果倍増を狙った方がお得ですね。
【参照】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/srpt/10/1/10_10_37/_article/-char/ja
疲労回復
加圧バンドを巻いてトレーニングすればもちろん効果的ですが、実はバンドを巻いて寝転がっているだけでも効果があります。
さすがに寝転がっていても筋肥大するというほど都合良くはありませんが、疲労回復の効果は極めて高いのです。
実際に体験して頂ければわかりますが、加圧バンドを巻いて加圧をするだけでも、腕に血液が滞留してパンパンに膨れ上がっていきます。
先述したように、滞留した血液は圧力によって毛細血管に流れていき、ゴースト血管が再生して細胞内の老廃物が根こそぎ押し流されます。
これによって全身の疲れた細胞の老廃物が洗い流され、代わりに新鮮な酸素と栄養が供給されて、リカバリーが進むのです。
実際に高頻度で試合やトレーニングを重ねるトップアスリートたちも、リカバリーとして加圧サイクルを積極的に取り入れているようです。
加圧サイクルによる疲労回復効果は、もちろんトップアスリートだけでなく、仕事に家事に忙しい一般の方にも役立ちますよね。
個人的には、デスクワークが続いた後の肩こり解消にめちゃくちゃ効果を実感しています。
加圧トレーニングの危険性・リスク
加圧トレーニングのメリットばかり説明してきましたが、もちろんリスク・デメリットもあります。
加圧トレーニングのリスクについては別の記事でも詳しく解説しようと思いますが、ここでは代表的な以下の2点を解説します。
- 脳貧血
- 皮下出血
脳貧血
加圧トレーニング中に最も気をつけなければならないリスクが、脳の血流低下による脳貧血です。
手足の血流を制限することで全身の血流量が低下し、脳貧血になってしまうことがあります。
わかりやすく言うと、立ち眩みの強力版で、失神する可能性もゼロではありません。
KAATSU CYCLEなどの専用デバイスを使えばリスクは低いですが、誤って強い圧力を設定しすぎるとリスクが高まります。
ダイエットSafariでは、専門の講習を受けた認定トレーナーがお客様一人ひとりに合わせた適切な圧力を設定し、トレーニング中も常に安全管理を徹底しています。
皮下出血
加圧トレーニングによってゴースト血管が再生するのは素晴らしいことですが、再生の際には皮下出血が起こることが少なくありません。
長年枯れていたゴースト血管はボロボロになっているため、加圧トレーニングで大量の血液が流れ込んでくると、血管が破れて皮下で出血してしまいます。
もちろん実際に血が流れるわけではありませんが、特に二の腕などに赤いブツブツが大量に出てくることがあります。
ノースリーブファッションがお好きな方などは、特に加圧トレーニングを受ける前にこの点をご了承ください。
赤いブツブツは3日ほどで消退していき、加圧トレーニングを繰り返すごとに発生しにくくなります。
これはゴースト血管が再生していっている証であり、身体には素晴らしい変化が起きているのです。
循環器にはむしろ好影響
加圧トレーニングの危険性について、特に質問が多いのが「血圧が上がりすぎて破れないの?」というものです。
意外なことに、これまでの加圧トレーニングに関する膨大な研究では、一貫して血管・循環器系にはプラスの作用が報告されており、高血圧などのリスクがある方にも推奨されています。
専用デバイスを用いた加圧サイクルは、30秒の加圧と5秒の除圧を繰り返すことで、血管に無理のない圧力をかけて鍛える効果があります。
劣化したゴムホースと違って、人間の血管は鍛えれば再び弾力を取り戻して蘇るのです。
加圧トレーニングで無理なく身体をバージョンアップ
加圧トレーニングの概要・効果・リスクなどをまとめて解説してきました。
「そんなに素晴らしいなら、なんで皆やってないの?」と思った方、
意識の高いアスリートは既にみんなやっています。
しかし、運動意識の高くなかった一般の方には、ほとんど普及していないのが現状です。
こんなに優れたトレーニング方法、しかも日本発の画期的なトレーニング方法が、日本人の健康促進に活用されていないのは実にもったいない。
運動不足を解消したい方や、綺麗でカッコいいボディを手に入れたい方々に、一人でも多く加圧トレーニングを体験して頂きたい。
ダイエットSafariはそんな思いで運営しております。興味があれば、ぜひ無料体験にいらしてください。
加圧トレーニングには少なからずリスクが伴うため、必ず認定トレーナーが常駐する施設での実施をおすすめします。